デジタル大辞泉
                            「衣鉢」の意味・読み・例文・類語
                    
                
		
            
		
    
        
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                    え‐はつ【衣鉢】
        
              
                        - 〘 名詞 〙 仏語。
 - ① ( 「さんえいっぱつ(三衣一鉢)」の略 ) 僧の着用する三種の法衣(袈裟)と食器(鉄鉢)のこと。出家受戒の時、これらを整えていることが重要な条件とされた。また、修行僧の持ち物、道具など一切を指すこともある。いはつ。えはち。
- [初出の実例]「衣鉢を弃(す)てて、大般若経を書写し奉て、心を至して供養す」(出典:今昔物語集(1120頃か)七)
 - 「衣鉢 ゑはつ ゑはち」(出典:落葉集(1598))
 - [その他の文献]〔四分律‐三四〕
 
 - ② ( 法を伝えるその証として衣鉢を与えたところから ) 法、宗義あるいは奥義。転じて、師から弟子に伝える学問、技芸などの奥義。いはつ。えはち。→衣鉢(いはつ)を継ぐ。
- [初出の実例]「若奪二衣鉢一、及奪二種々資生具一者、是人則壊二三世諸仏真実報身一」(出典:教行信証(1224)六)
 - [その他の文献]〔付法蔵因縁伝‐一〕〔従容録‐二則〕
 
 - ③ 僧の蓄えている銭、帛などの類。
- [初出の実例]「僧銭帛総言二衣鉢一」(出典:禅林象器箋(1741)銭財)
 
 - ④ 「えはつじしゃ(衣鉢侍者)①」の略。〔日葡辞書(1603‐04)〕
 
衣鉢の補助注記
エは「衣」の呉音。三衣一鉢のことであるが、「今昔物語集」では①の挙例のほかに「衣鉢を投棄て」「衣鉢を棄てて」などの類型表現で、すべてを投げうつことを比喩的に表わしている。
                                                          
     
            
		
                      
                    い‐はつ【衣鉢】
              
                        - 〘 名詞 〙 三衣と一鉢。また、法を継ぐ証拠として師僧から伝える袈裟(けさ)と鉢。転じて、師から弟子に伝える学問や技芸などの奥義。えはつ。いはち。
- [初出の実例]「後ち三代豊国の門に入り国周の雅名を貰ひ師の衣鉢(イハツ)を伝へ世間から明治の豊国と謳はれた」(出典:江戸から東京へ(1921)〈矢田挿雲〉七)
 
 
                                                          
     
            
		
                      
                    え‐ふ【衣鉢】
              
                        - 〘 名詞 〙 衣鉢(えはつ)のこと。禅宗でいう。いふ。
 
                                                          
     
    
        
    出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例
	
    
  
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    普及版 字通
                            「衣鉢」の読み・字形・画数・意味
                    
                
		
    
        
    出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報
	
    
  
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                    衣鉢 (いはつ)
        
              
                        仏道修行者の衣服と食器。〈えはつ〉〈えほ〉ともいう。日常最小限の道具,所持品の意より,師が弟子に許す正法,もしくは悟りをあらわす物証となる。日本で,茶道その他の諸芸の奥義を意味するのは,その転化である。インド仏教の戒律で,僧伽梨衣(普段着),鬱多羅僧(上衣),安陀衣(下着)という3種の袈裟(けさ)と,一つの鉢多羅,すなわち鉢盂(はつう)を所持することを認めたのが原義で,中国の禅宗では,五祖の法をつぐ神秀(じんしゆう)と慧能(えのう)がその衣鉢を争ったとされる。
執筆者:柳田 聖山
 
                                                          
     
    
        
    出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
	
    
  
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                    衣鉢(えはつ)
えはつ
        
              
                        「いはつ」とも読む。三衣一鉢(さんえいっぱつ)の略。僧侶(そうりょ)の3種の袈裟(けさ)(大衣(だいえ)、七条衣(しちじょうえ)、五条衣)と、僧侶の食器である鉢盂(はつう)(応量器(おうりょうき))をいう。これは僧侶の持ち物のなかでもっともたいせつなものとされる。禅宗では師弟の間で、伝法のしるしとして袈裟と応量器を伝えたことから、法を伝えることを「衣鉢を伝える」「衣鉢を継ぐ」などといい、衣鉢が仏法そのものを意味する語として用いられる。また僧侶が本来蓄えてはならない金銭などの財物をさす隠語としても用いられる。
[中尾良信]
                                                          
     
            
		
    
        
    出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例
	
    
  
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                    衣鉢
いはつ
        
              
                        仏教の修行者の重要な持物で,3種類の袈裟と,托鉢に用いる鉢のこと。特に禅宗では,師僧が弟子に最も深い真理を伝達することを「衣鉢を伝える」などと称する。えはつ,えはちとも読む。 (→三衣一鉢 )
                                                          
     
    
        
    出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報
	
    
  
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		世界大百科事典(旧版)内の衣鉢の言及
    		
      【衣鉢】より
        
          
      …日本で,茶道その他の諸芸の奥義を意味するのは,その転化である。インド仏教の戒律で,僧伽梨衣(普段着),鬱多羅僧(上衣),安陀衣(下着)という3種の袈裟(けさ)と,一つの鉢多羅,すなわち鉢盂(はつう)を所持することを認めたのが原義で,中国の禅宗では,五祖の法をつぐ神秀(じんしゆう)と慧能(えのう)がその衣鉢を争ったとされる。【柳田 聖山】。…
      
     
    		
      【衣鉢】より
          
      …日本で,茶道その他の諸芸の奥義を意味するのは,その転化である。インド仏教の戒律で,僧伽梨衣(普段着),鬱多羅僧(上衣),安陀衣(下着)という3種の袈裟(けさ)と,一つの鉢多羅,すなわち鉢盂(はつう)を所持することを認めたのが原義で,中国の禅宗では,五祖の法をつぐ神秀(じんしゆう)と慧能(えのう)がその衣鉢を争ったとされる。【柳田 聖山】。…
      
     
         ※「衣鉢」について言及している用語解説の一部を掲載しています。 
        
    出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
	
    
  
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