補陀落寺(読み)ふだらくじ

精選版 日本国語大辞典 「補陀落寺」の意味・読み・例文・類語

ふだらく‐じ【補陀落寺】

神奈川県鎌倉市材木座にある真言宗大覚寺派の寺。山号は南向山。養和元年(一一八一)、源頼朝祈願所として創建開山文覚。観応年間(一三五〇‐五二)頼基が再興

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日本歴史地名大系 「補陀落寺」の解説

補陀落寺
ふだらくじ

京都市左京区静市静原しずいちしずはら町辺りにあったという寺。「平家物語」の「大原御幸」に「鞍馬どおりの御幸なれば、清原深養父が補陀落寺、小野の皇太后宮の旧跡叡覧ありて、それより御輿にめされけり」とあり、かつてこの付近に補陀落寺のあったことが知られる。土地の伝承によれば静原の里より北東半里ばかりの山麓といい、また江文えぶみ峠と静原の間ともいわれ(山城名勝志)、その旧地は明らかでない。

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世界大百科事典(旧版)内の補陀落寺の言及

【補陀落渡海】より

…信仰のためとはいいながら,実在かどうか定かでない補陀落(インド南部にあると伝えられるPotalakaの音訳)に向かって決死の船出をするふしぎな宗教現象なので,古来なぞとされている。しかし《熊野年代記》は868年(貞観10)の慶竜上人の渡海,919年(延喜19)の補陀落(山)寺祐真上人と道行(同行)13人の渡海,1131年(天承1)の同寺高厳上人の渡海など,平安時代の渡海者3人,室町時代の渡海者10人,江戸時代の渡海者6人とその同行をあげている。したがってこれは実際におこなわれたものと考えなければならない。…

※「補陀落寺」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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