出典 株式会社平凡社世界大百科事典 第2版について 情報
能の曲目。三番目物。五流現行曲。喜多流は「小原御幸」と表記する。作者不明。『平家物語』のフィナーレを忠実に舞台化した能。一門の滅亡を体験した建礼門院(けんれいもんいん)(シテ)は、2人の尼とともに寂光院(じゃっこういん)に仏門修行の日々を送っている。舅(しゅうと)にあたる後白河(ごしらかわ)法皇(ツレ)が万里小路中納言(までのこうじちゅうなごん)(ワキ)を従えて訪れた初夏の日、女院は天上、人間、修羅(しゅら)、畜生(ちくしょう)、餓鬼(がき)、地獄の六道(ろくどう)のすべてにわたる体験と、わが子である先帝の最後を涙ながらに物語る。やがて女院は法皇の還幸を庵(いおり)の柱にすがって見送る。高貴の女性をシテとする幽玄能でありながら、まったく舞の要素がない異色の能。とくに品格を要することから『楊貴妃(ようきひ)』『定家(ていか)』とともに三婦人の能とよばれ重く扱われる。
[増田正造]
…灌頂巻の上に,小秘事2曲,大秘事3曲があるが,これは別扱いの秘曲とされる。灌頂巻の曲目は,《女院御出家》,《大(小)原入御》(《大原入》とも),《大(小)原御幸(おはらごこう)》,《六道》(《六道之沙汰》とも),《御往生》(《女院御往生》とも)である。平曲【横道 万里雄】。…
…自分はこうしてわずかの間に六道の苦しみを経験したのだと物語ったので,人々は涙を流した。平曲《大原御幸(おはらごこう)》と共に能《大原御幸》の原拠。【横道 万里雄】。…
※「大原御幸」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
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