複比例(読み)フクヒレイ(その他表記)compound proportion

デジタル大辞泉 「複比例」の意味・読み・例文・類語

ふく‐ひれい【複比例】

一つの量が、他の二つの量と比例あるいは反比例関係にあること。

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「複比例」の意味・読み・例文・類語

ふく‐ひれい【複比例】

  1. 〘 名詞 〙 複比相乗比)と複比、あるいは複比と単比が等しいという関係。たとえば、ac:bd=e:f が成り立つようなとき、a、b、c、d、e、fは複比例するという。〔数学ニ用ヰル辞ノ英和対訳字書(1889)〕

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

改訂新版 世界大百科事典 「複比例」の意味・わかりやすい解説

複比例 (ふくひれい)
compound proportion

ある量が二つ以上の量に比例または反比例するとき,複比例するという。厳密にいえば,互いに関係する三つ以上の量,x1,……,xmy1,……,ynzmn≧0)が,

をみたす(zx1,……,xmに比例し,y1,……,ynに反比例する)とき,zx1,……,xmy1,……,ynに複比例するという。例えば,〈気体体積は,圧力に反比例し,絶対温度に正比例する〉というボイル=シャルル法則は,1molの気体の体積をv,圧力をp,絶対温度をTとすると,

で表される。また,具体的な問題,例えば水槽に4000lの水をいれるのに,3台のポンプで32時間かかるとすれば,1万2000lの水をいれるのに,4台のポンプで何時間かかるかという問題では,かかる時間tは,水の量mに比例し,ポンプの数nに反比例するから,

で表せる。まず,最初の条件から,

を求め,これを,

に代入し,

を得る。
執筆者:

出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「複比例」の意味・わかりやすい解説

複比例
ふくひれい
compound proportion

2変数 xy関数になる量 zf(xy) が,x を固定したときには y に比例し,y を固定したときには x に比例するとき,xy に複比例するという。ここで af(1,1) とすると zaxy になる。たとえば,輸送量重量距離に比例するとか,運動量質量速度に比例するとか,複比例する量は多い。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

今日のキーワード

カイロス

宇宙事業会社スペースワンが開発した小型ロケット。固体燃料の3段式で、宇宙航空研究開発機構(JAXA)が開発を進めるイプシロンSよりもさらに小さい。スペースワンは契約から打ち上げまでの期間で世界最短を...

カイロスの用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android