(読み)ヒダ

デジタル大辞泉 「襞」の意味・読み・例文・類語

ひだ【×襞】

衣服布地などにつけた細長い折り目。
衣服のひだのように見えるもの。精神的なものについてもいう。「山の」「心のに触れる」
キノコの傘の裏側にあるしわ菌褶きんしゅう
[類語]プリーツギャザーダーツ

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精選版 日本国語大辞典 「襞」の意味・読み・例文・類語

ひだ【襞】

  1. 〘 名詞 〙
  2. 着物などに、段状に細く折りたたんでつけた折り目。〔新撰字鏡(898‐901頃)〕
  3. 皮膚や山肌などで、細く折りたたんだように見える、しわ状のもの。
    1. [初出の実例]「天窓(あたま)へ〈略〉竪に幾筋も襞積(ヒダ)が出来たぜ」(出典:滑稽本・七偏人(1857‐63)三)
  4. 外からではわかりにくい、心中の複雑で微妙な部分。
    1. [初出の実例]「それは記憶の襞(ヒダ)のどこかに潜んでいて」(出典:ストマイつんぼ(1956)〈大原富枝〉)
  5. 担子菌類マツタケ目の子実体の傘(かさ)裏面にあるしわの部分。両面に子実層があり、ここに胞子をつける。しわの性質や子実体の柄はマツタケ目の分類学上の重要な特徴になる。

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普及版 字通 「襞」の読み・字形・画数・意味


19画

[字音] ヘキ
[字訓] ひだ・たたむ

[説文解字]

[字形] 形声
声符は辟(へき)。辟に僻(かたよ)る意がある。〔説文〕八上に「衣に(ひだ)するなり」とあり、折り目をつけ、たたむことをいう。しわのときはといい、いたんで破れることを「(すうしよう)」という。

[訓義]
1. ひだ、ひだをつける、おりめをつける。
2. たたむ、たたみかさねる。

[古辞書の訓]
和名抄〕襞 比多米(ひだめ)と訓む 〔名義抄〕襞積 ヒダメ。上、コロモ・ヒタメ 〔字鏡〕襞 タタム・セハキヌ・コロモ 〔字鏡集〕襞 タタス

[熟語]
襞錦襞褶・襞・襞積襞染襞牋襞幅襞方襞斂
[下接語]
衣襞・巾襞・巻襞・紙襞

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