ダーツ(読み)だーつ(英語表記)dart

翻訳|dart

日本大百科全書(ニッポニカ) 「ダーツ」の意味・わかりやすい解説

ダーツ(室内スポーツ)
だーつ
darts

ダーツは、約400年前にイギリスで生まれた室内スポーツで、高さ1.73メートルに中心を固定した直径45.7センチのダーツボード(的)に、ボードから2.37メートル離れたスローイングラインから、3本のダーツ(矢)を投げ、当たった位置によって異なる得点を、持ち点から引き、早く0点にする競技。

 公式競技において使用されるダーツボードは、ブリッスルボードとよばれ、サイザル麻という強いロープ用の繊維を束ねて圧縮してつくられる。また、競技用のダーツ(矢)は、タングステンニッケル合金でつくられ、1本の重さが17~25グラムである。世界のダーツ競技組織は、日本をはじめ35か国の加盟によりワールドダーツフェデレーション(WDF)が運営され、ワールドカップ、そして、〔1〕パシフィックカップ、〔2〕ヨーロッパカップ、〔3〕アジアカップを主催している。日本では日本ダーツ協会(JDA)がジャパンチャンピオンシップ(日本選手権)やジャパンマスターズ、全日本ダーツリーグなどを主催している。

[日本ダーツ協会]

その後の動き

2008年現在、WDFには世界62の国と地域が加盟している。

 日本ダーツ協会のライフ競技規則によるダーツは、JDA公認の長さ30.5センチメートル、重量50グラム以内と規定されている(特別許可があった場合はその限りではない)。

 現在のWDFは、ワールドカップ、アメリカズカップ、アジア・パシフィックカップ、ヨーロッパカップを主催している。

[編集部]



ダーツ(服飾)
だーつ
dart

本来は「投げ矢」の意。服飾では体の肩、胸、腰などの膨らみを立体的に形成するために布の一部をつまみ、膨らみに向けて先端を縫い消した縫い込みのことをいう。このつまみを平面展開すると、矢の先のような形になるためこの名がある。薄地の場合は片側に倒し、厚地の場合は割って始末する。ダーツの形、量はシルエットに大いに関係する。デザイン上、切り離して裁断した場合は「切り替え線」とよんで区別するが、ダーツの分量は切り替え線の中に組み込まれるため、効果は同じである。

[岡田浩海]


出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ダーツ」の意味・わかりやすい解説

ダーツ
darts

円形標的(ダーツボード)に矢を投げて点数を競うゲーム。ダーツボードは中心の小円から放射状に 20等分されて 1から 20までの点数がつけられ,さらに中心の小円の周囲と外周と中ほどに細い円帯が設けられている。中心の小円が 50点,そのまわりの円帯が 25点,外の円帯はその部分の点数の 2倍,中ほどの円帯はその部分の点数の 3倍となっている。ゲームでは,約 2.5m離れたところから,おもりと羽根のついた長さ約 16cmの矢を 3本投げて,当てた部分の点数を持ち点の 301点から引いていき,先に 0点とした者を勝ちとする。最も盛んなのはイギリスで,16世紀ヘンリー8世の時代から知られており,1620年『メイフラワー』号上でも植民地建設団の一行がダーツを楽しんだと記録されている。1976年世界ダーツ連盟 World Darts Federation; WDFがロンドンで設立され,日本も 1977年に参加,50ヵ国から 50万人以上の競技者が加盟している。1980年代からダーツボードが電子化され世界中に人気が広がり,1990年代初頭のアメリカ合衆国では競技人口が 1700万人以上となった。

ダーツ
dart

投げ槍の意であるが,洋裁では細長い三角形の縫込みをさす。平面の布地を身体の曲面に沿って立体化するためのテクニックの一種。おもに肩,ウエスト,胸部,袖口などに用いる。

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