西山朝(読み)セイザンチョウ(その他表記)Tây-son

精選版 日本国語大辞典 「西山朝」の意味・読み・例文・類語

せいざん‐ちょう‥テウ【西山朝】

  1. ベトナムの王朝。黎(レ)朝の衰退に乗じて、帰仁(クイニヨン)の西山タイソン)村出身の阮文岳(グエン‐バンニャク)・文呂(バンルー)・文恵(バンフエ)の三兄弟が反乱を起こして一七七八年に自立。八九年黎朝を滅ぼしたが、一八〇二年フランス人の後援を得た阮福映(グエン‐フクアイン)に敗れて滅びた。タイソン朝。

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旺文社世界史事典 三訂版 「西山朝」の解説

西山朝
せいざんちょう
Tây-son

1778〜1802
ヴェトナムの王朝
建国者の阮 (げん) 文岳・文呂・文恵3兄弟が中部ヴェトナム帰仁 (クイニヨン) の西山村出身なので,西山党と呼ぶ。黎朝 (れいちよう) 末期王権が衰え,権臣の阮氏と鄭 (てい) 氏が南北に分かれて抗争していた。3兄弟は1771年に乱を起こし(西山党の乱),73年帰仁府を陥れ,阮氏を退けて広南 (カンナム) 国から平順 (ビンチユアン) に至る全域を支配した。ついでハノイを攻めて鄭氏を滅ぼし,ヴェトナムを統一してこれを3分して治めた(1787)。1789年には清朝と結んだ黎朝を滅ぼしたが,フランス人と結んだ阮氏の一族阮福映に滅ぼされ,1802年阮朝が成立した。

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