20世紀日本人名事典 「西村総左衛門」の解説
西村 総左衛門
ニシムラ ソウザエモン
明治〜昭和期の染色家
- 生年
- 安政2年5月25日(1855年)
- 没年
- 昭和10(1935)年5月16日
- 出生地
- 京都府
- 旧姓(旧名)
- 三国
- 別名
- 名=直篤
- 主な受賞名〔年〕
- 京都博覧会金牌〔明治12年〕
- 経歴
- 戦国時代から続く京都の織物商千切屋(のち千総屋)の12代当主。明治6年頃から友禅染の下絵を岸竹堂や今尾景年・菊池芳文ら京都在住の画家に依頼し、明治維新の変動を受けて衰退しつつあった京都の染織業の振興を計った。また京都の染色技術者広瀬治助が発明した色糊(化学染料と糊を混合したもの)を友禅に導入し、加茂川友禅の名で12年の京都博覧会に出品して金牌を受賞。この成功が契機となり、大衆的な型友禅に注目が集まるようになった。さらにビロード友禅を開発したことにより染織の工芸美術品的な価値が高まり、26年のシカゴ万国博覧会に「近江八景ビロード友禅壁掛」、33年のパリ万国博覧会に「雁来紅図友禅額」を出品して高い評価を得た。
出典 日外アソシエーツ「20世紀日本人名事典」(2004年刊)20世紀日本人名事典について 情報