要用集(読み)ようようしゆう

日本歴史地名大系 「要用集」の解説

要用集(薩藩政要録)
ようようしゆう

六巻

成立 文政一一年(改編)

原本 鹿児島大学附属図書館玉里文庫

写本 鹿児島県立図書館

解説 鹿児島藩政に携わる者の便益に供するため、藩政要務にかかわる諸制度や規定などをはじめ、政治・経済・軍事・宗教ほかさまざまな情報や統計数値などを網羅的に集めて編纂された藩政要覧集的史料集。この種の編纂物は藤井本「要用集抄」によって少なくとも享保前期には作られていたことが知られ、明和期の「要用集抄」や安政期の「要用集」の存在によって鹿児島藩が時機を見計らって改訂版を編纂していたことも知られる。本書に収める種々の統計資料は文政九年もしくはその前後のものと推定される。巻一が六項目、巻二が一二項目、巻三が一九項目、巻四が二七項目、巻五が一項目、巻六が二四項目の計八九項目からなる。なお巻五の諸郷郡分地頭附并郷士人躰持高之事は、当時の諸郷や藩全体の実勢をうかがえる貴重な地誌統計史料で、鹿児島近在二五ヵ村の村名と合計石高・用夫数・野町用夫数・浦用夫数の記載のあとに郷ごとに地頭・私領主名、郷名・郷士および家中士数、郷士および家中士人躰数、郷の石高、郷士および家中士の持高、寺社高、村落数と村名、用夫数・野町用夫数・浦用夫数などについて記す。

活字本 「薩藩政要録」(鹿児島県史料集一)


要用集
ようようしゆう

六巻

成立 安政元年頃か(改編)

原本 答院町樺山家(巻一―五)・鹿児島県立図書館(巻六)

解説 文政一一年改編の「薩藩政要録」と同種の鹿児島藩の藩政要覧集的史料集で、藩政の要務にかかわる諸制度・規定はじめ藩政運営上参考となる政治・経済・軍事・宗教ほかの重要事項や統計史料を網羅的に集めて編纂されている。本書に収める統計数値の多くは嘉永四―五年を中心に前後のものと推定される。各巻収載の記事項目数は「薩藩政要録」と同じ八九項目で、このうち同書と内容に変更のあるものは五六項目である。

活字本 鹿児島県史料集二八・二九


要用集
ようようしゆう

六巻 嘉永五年改編

分類 記録

原本 樺山不揺麿家(巻一―五)・鹿児島県立図書館(巻六)

解説 鹿児島藩の藩政当局者の参考本として編集され、改訂されたものの一つと考えられるが、その項目立ては文政一一年の「要用集」と同じである。巻五は各郷の地頭名・郷名、郷士の人数、郷の石高、郷士高・寺高・村名・用夫数、鹿児島からの距離などについて嘉永四年現在の数値が記される。

活字本 鹿児島県史料集28・29


要用集(薩藩政要録)
ようようしゆう

六巻 文政一一年改編

分類 記録

原本 鹿児島大学附属図書館玉里文庫

写本 鹿児島県立図書館

解説 当史料に収められているデータは文政九年現在のものであるが、その編集作業については現在のところ不明。内容は巻一が目録、巻二は一二項目、巻三は一九項目、巻四は二七項目、巻五は諸郷郡分地頭附并郷士人躰持高之事の一項目、巻六は二四項目である。

活字本 鹿児島県史料集1

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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