シンポジウム(その他表記)symposium

翻訳|symposium

デジタル大辞泉 「シンポジウム」の意味・読み・例文・類語

シンポジウム(symposium)

聴衆の前で、特定問題について何人かが意見を述べ、参会者と質疑応答を行う形式討論会語源ギリシャ語シンポシオンから。
[類語]ティーチイン討論討議対談鼎談面談会議協議評議商議審議合議会談会合話し合いミーティング集会寄り合い集まり座談会集いまどい団欒相談打ち合わせ謀議密議衆議ディスカッションパネルディスカッションフォーラムフォーラムディスカッションディベート

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「シンポジウム」の意味・読み・例文・類語

シンポジウム

  1. 〘 名詞 〙 ( [ラテン語・英語] symposium ) ある一つの問題について、二人以上の講演者が異なった面から意見を述べ、かつ聴衆や司会者の質問に答える形式の討論会。
    1. [初出の実例]「再生不良性貧血のシムポジウムに出席した」(出典:ヤゴの分際(1962)〈藤枝静男〉)

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

日本大百科全書(ニッポニカ) 「シンポジウム」の意味・わかりやすい解説

シンポジウム
しんぽじうむ
symposium

公開討論会の一つの形式。いっしょにsyn-飲むposisの意のギリシア語symposion(饗宴(きょうえん))が語源。講壇討議と一般に訳されている。

 特定のテーマに関して討議を行う際、異なった立場や角度からの分析や論究が深まるよう、学識経験者などの専門家を数名選び、参加者に対して、それぞれが見解を述べ、それらの専門的な知見に基づき、全体討論会(質疑―応答が主)に移行する形式をとる。このような専門家集団による形式は、正しくはシンポジウム・フォーラムforumという。専門家が1名であれば、レクチャー・フォーラムlecture forumといい、さらに専門家集団でなく、参加者と同じ立場の人が壇上で討議する場合には、形式はほとんど変わらないが、パネル・ディスカッションpanel discussionとかパネル・フォーラム(代表討議)とかよばれる。また、シンポジウムということばは、講壇討議に限らず、雑誌などで特定の問題について、数名の専門家がそれぞれの立場から見解を表明する誌上討論会の場合にも用いられる。

 シンポジウム・フォーラムは、通常、議長(司会)1名に4、5名の専門家と参加者からなり、進行は、議長が、討議の趣旨、テーマの説明、登壇者の紹介を要領よく行い、進行方法についても説明する。その後、専門家が順次、予定時間内で見解を述べ、さらに短時間の補足説明の機会を設けることもある。次には、おもにテーマに沿った専門的知識の理解を目的とした、登壇者同士での質疑応答に移行し、その後、参加者との間での討論に進み、最終的に議長がまとめていく。

 テーマが参加者に容易に理解される場合には、パネル・ディスカッションを採用するほうが望ましいが、難解なテーマ、系統的で論理的な説明を要するテーマであるときには、シンポジウム・フォーラムやレクチャー・フォーラムがよく用いられる。

[岡東壽隆]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

改訂新版 世界大百科事典 「シンポジウム」の意味・わかりやすい解説

シンポジウム
symposium

多数の者が一つの問題をめぐって議論を交わす集団討議法の一種。夕食後などに行われる酒宴を意味するギリシア語symposionに由来する。プラトンが,酒席で行われた〈愛〉をめぐる討論を内容とする著書(《饗宴》)の題名にシュンポシオンの語を用いてから,親しい雰囲気なかで行われる論議をこう呼ぶようになった。一般に,数人の報告者がそれぞれ異なった角度から見解を述べ,そのあと参加者全員が加わって討論を行う形態をとるが,ときには,中心的な報告者が基調となる見解を述べ,これに複数の討論者が議論を加えたのち,全員の討議に移るなど,バラエティのある方法がとられることもある。他の類似の集団討議よりも大規模なものを,この名で呼ぶことが多い。従来はアカデミズムなど一部の世界に限られたものであったが,一つの問題をめぐりさまざまな観点から議論を展開することができるため,また多様な領域にまたがる複雑な構造をもつ現代的な問題を論ずるのに適した方法であるところから,今日では,さまざまな分野でシンポジウムの名を冠した企画が立てられるようになり,きわめて隆盛の感をみせている。とくに,新聞,放送,出版などのマス・メディアが,文化事業の一環として,現代的なテーマをかかげたシンポジウムを開催したり,さらにこれを紙上や放送で広く紹介するなどの事例が多く,海外からゲストを招き,国際的なスケールで行われる場合も少なくない。
執筆者:

出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報

百科事典マイペディア 「シンポジウム」の意味・わかりやすい解説

シンポジウム

集団討議の形式の一つ。一般に,一つの問題をテーマに,異なる意見をもつ数人の報告者が意見を発表し,参加者全員によって討論を行う。今日では聴衆の前で行われることも多く,その場合にはこののち,聴衆との質疑応答・討論を行う。symposiumはプラトンのシンポシオンsumposion(饗宴(きょうえん))に由来する。
→関連項目パネル・ディスカッション

出典 株式会社平凡社百科事典マイペディアについて 情報

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「シンポジウム」の意味・わかりやすい解説

シンポジウム
symposium

一緒に syn-飲む posisの意のギリシア語 symposionのラテン音訳。現在では饗宴の意味と,なごやかな雰囲気のなかで行われる学問上の討論会もしくは雑誌などで特定の問題に関して数名の者がそれぞれの見解を表明する誌上討論会の意味とがある。両者には密接な関連があり,その典型はプラトンの『饗宴』 Symposiumに求められる。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

世界大百科事典(旧版)内のシンポジウムの言及

【パネル・ディスカッション】より

…一般的には,数人の討論者(パネラー)が司会者の進行により討議を交わし,そのあと聴衆も参加して質疑応答を行う形をとる。シンポジウムでは,数人の報告者がそれぞれ自己の見解を開陳し,それを素材に全員で討議するのに対し,ここでは,パネラーに対立的な意見を代表する者を選び,討論者相互で十分な議論を行うことに重点がおかれる。しかし,シンポジウムのなかにパネル・ディスカッション的な討論が組み込まれる場合もあるなど,類似の集団討議法との関係は必ずしも明確ではない。…

※「シンポジウム」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

今日のキーワード

仕事納

〘 名詞 〙 年の暮れに、その年の仕事を終えること。また、その日。《 季語・冬 》[初出の実例]「けふは大晦日(つごもり)一年中の仕事納(オサ)め」(出典:浄瑠璃・新版歌祭文(お染久松)(1780)油...

仕事納の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android