視神経交叉(読み)シシンケイコウサ(その他表記)optic chiasm

デジタル大辞泉 「視神経交叉」の意味・読み・例文・類語

ししんけい‐こうさ〔‐カウサ〕【視神経交×叉/視神経交差】

左右視神経が交差するところ。視床下部前方脳下垂体上方にある。視交叉
[補説]ヒトの場合、網膜内側(鼻側)半分から出る視神経が交差して眼球と反対側の大脳に至り、網膜の外側(耳側)半分から出るものは眼球と同側の大脳に至る。視界の左側にあるものは、眼球レンズ水晶体)によって、網膜の右側(左眼では鼻側、右眼では耳側)に像をつくるが、これらの視覚情報は右脳の視覚野に伝達される。同様に、視界の右側の視覚情報は左脳の視覚野に伝達される。

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「視神経交叉」の意味・わかりやすい解説

視神経交叉
ししんけいこうさ
optic chiasm

視交叉ともいう。左右の眼の網膜から発する視神経は,眼窩から頭蓋内へ入り,視床下部の前端中央で合さって,扁平四辺形の交叉部をつくり,後方視索へ移行する。この部位をいう。交叉部は幅 10~12mm,前後5~6mm,高さ4~5mmで,その周囲には,上方に第三脳室の視神経陥没,後縁に漏斗,左右に内頸動脈,下方に骨性交叉部溝がある。なお両眼網膜の鼻側半部から発した神経線維は交差して反対側の視索に入り,耳側半部に発した神経線維は,交差しないで同側の視索に入る (半交叉という) 。一部の線維は上丘に進んで,視覚に関係のある反射運動を司る。

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