親気元素(読み)しんきげんそ(英語表記)atmophile element

百科事典マイペディア 「親気元素」の意味・わかりやすい解説

親気元素【しんきげんそ】

元素地球化学的分配を考える際にV.M.ゴルトシュミットによって提唱された地球化学的分類法による元素の一族名称。地球の進化過程で,気圏に濃縮するもの,すなわちHe,Ne,Ar,Kr,Xe,N,O,Hなどである。→親石元素親生元素
→関連項目親鉄元素親銅元素

出典 株式会社平凡社百科事典マイペディアについて 情報

日本大百科全書(ニッポニカ) 「親気元素」の意味・わかりやすい解説

親気元素
しんきげんそ
atmophile element

元素分配の第一段階で、大気生成の初期に集まったと考えられる元素。気体になりやすく化学的に不活性か、または気体となりやすい化合物をつくる性質をもつ元素が多い。たとえば、水素窒素炭素酸素塩素臭素ヨウ素希ガスなどが親気元素である。

[中原勝儼]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「親気元素」の意味・わかりやすい解説

親気元素
しんきげんそ
atmophile element

地球化学的な元素の分類において,大気中に集りやすい傾向をもつ元素。 V.ゴルトシュミットによる元素の性質に関する地球化学的分類 (1922) の一つ。窒素,酸素,水素,希ガス,塩素,シュウ素,ヨウ素,炭素などがこれに含まれる。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

岩石学辞典 「親気元素」の解説

親気元素

酸素や窒素のように化合物を作らずに産出するか,または気体の化合物で大気(atmosphere)に濃集しているH, N, O, He, Ne, Ar, Kr, Xeなどの元素[Goldschmidt : 1954].

出典 朝倉書店岩石学辞典について 情報

化学辞典 第2版 「親気元素」の解説

親気元素
シンキゲンソ
atmophile element

大気を構成する典型的な元素で,始原大気に集まったとみられる元素をいう.N,O,C,H,希ガス,Cl,Br,Iなど.CはCO,CO2として存在する場合が多い.

出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報

世界大百科事典(旧版)内の親気元素の言及

【元素】より

…残りの陽性元素(M)は,自由エネルギーの大小に応じてM+ケイ酸鉄⇄ケイ酸M+Fe,M+硫化鉄⇄硫化M+Feの反応を起こし,Feより弱い陽性元素はFeによって遊離されて金属鉄相に追い込まれ,硫化物相にはSや非金属元素と同極化合物をつくる元素,および非金属イオン濃度の高いイオン性環境に存在しにくい元素が配分された。この化学平衡関係による地球化学的配分によって,元素は親鉄元素,親銅元素,親石元素,親気元素に分類される(表5参照)。以上のほかに,生物圏に集まる親生元素がある。…

※「親気元素」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

今日のキーワード

青天の霹靂

《陸游「九月四日鶏未鳴起作」から。晴れ渡った空に突然起こる雷の意》急に起きる変動・大事件。また、突然うけた衝撃。[補説]「晴天の霹靂」と書くのは誤り。[類語]突発的・発作的・反射的・突然・ひょっこり・...

青天の霹靂の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android