観音正寺(読み)かんのんしようじ

日本歴史地名大系 「観音正寺」の解説

観音正寺
かんのんしようじ

[現在地名]安土町石寺

きぬがさ(観音寺山)山上に位置する。繖山と号し、単立寺院本尊千手観音。西国三十三所観音霊場の三二番札所

〈近江・若狭・越前寺院神社大事典〉

〔観音信仰〕

寺伝によれば、聖徳太子建立という。三井寺行尊伝(寺門高僧記)に記す平安時代後期の観音霊所三十三所巡礼記には一九番札所として載る。三十三所の一であったため、嘉元元年(一三〇三)の後宇多法皇祈願(御修法注文記)、建武二年(一三三五)の後醍醐天皇中宮禧子の安産祈願(御産御祈目録)などが行われるたびに勅使等が派遣され、その後も公家・武家らによってさまざまな祈願がなされた。正慶二年(一三三三)五月七日、六波羅探題北条仲時は光厳天皇を奉じて近江に敗走、翌八日「観音寺を一夜の皇居」としている(梅松論)。中世を通じて六角氏の厚い保護を受けたが、中世後期、同氏の観音寺城の整備・拡大にともなって寺地は繖山麓の石寺いしでらと石寺栢尾かやおの間にある観音谷に移ったという。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

デジタル大辞泉プラス 「観音正寺」の解説

観音正寺(かんのんしょうじ)

滋賀県近江八幡市の繖(きぬがさ)山の山頂にある寺院。天台宗単立寺院。推古天皇時代、聖徳太子が建立したと伝わる。本尊は千手千眼観世音菩薩(秘仏)。西国三十三所観音霊場第32番札所。

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