翻訳|deposit
契約の当事者に解約を制約する効力を及ぼす手付。商品売買、請負、賃貸借などの契約を結ぶ際、当事者の一方(買い手など)から相手方(売り手など)に対して交付される金銭その他の有価物を手付といい、それが解約を制約する意味をもつものをとくに解約手付という(民法557条1項・559条)。手付(金)は、契約が行われるよう支払われる保証金といえる。
一般に手付は、すべて契約が成立したことを明らかにさせる意味をもつ証約の効力をもっているが、商慣習では、契約の履行に着手する前であれば、手付金の交付者がその手付を放棄するか、あるいは、受納者がその倍額を返す(手付倍額戻し)ことにより、契約を解除することができる。これが解約手付である。解約手付によっても契約の履行に着手した後は解約することができない(民法557条1項)。なお、内金として代金の一部を前払いすることがあるが、これには手付の効力はない。
[森本三男]
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…たとえば,買主が代金を支払わないとき,売主が違約金として手付金を没収するのはこれに当たる。(3)解約手付 当事者が契約を自由に解除する権利を留保するために交付されるもの。契約がいったん成立した以上,契約当事者は相互に契約を守るべき義務を負い,相手方に債務不履行がない限り,契約を解除することができないのが原則である。…
※「解約手付」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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