記憶保護(読み)きおくほご(英語表記)memory protection

改訂新版 世界大百科事典 「記憶保護」の意味・わかりやすい解説

記憶保護 (きおくほご)
memory protection

コンピューター記憶装置やその中のデータなどを正当にして正常な使用・操作だけに限定する制御を記憶保護という。記憶内容を不当な,もしくは誤った操作から保護することは,小容量のメモリーを個人的に単純な形態で使用するときはあまり問題はないが,コンピューターシステムが大規模になり,多重プログラミングや時分割使用データベース管理システムへとメモリーの高度で効率的な使用法が開発されるに従い,プログラミング上の誤り,他使用者による記憶内容の破壊悪用誤動作故障波及などが重大な問題となってくる。このため記憶装置を使用するための信号が正当なものであるか否かを,その動作,使用者と記憶領域のおのおのについて,あらかじめ登録してある許可条件やキーデータ(銀行のカードシステムの暗証番号に相当するデータ)と照合してきめ細かく制御する。これによりプログラム暴走や不当使用,誤使用から記憶内容やシステムの安全性や信頼性を守り,記憶装置の共用化やデータベース化が可能となる。記憶保護の基本動作は書込み保護,実行保護,読出し保護である。もっとも単純な書込み禁止は,録音カセットテープの誤消去防止用安全片を取り除くのと同じ機能ハード,もしくはソフト的に設定することで実現できる。
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日本大百科全書(ニッポニカ) 「記憶保護」の意味・わかりやすい解説

記憶保護
きおくほご
storage protection

コンピュータの記憶装置やその記憶内容の不正な使用を禁じる制御のこと。コンピュータシステムが大規模になり、複数ユーザーが共同利用する機会が増えると、記憶保護が必要となる。保護の基本動作には、(1)記憶内容の破壊や変更を防ぐ書込み保護、(2)記憶内容の盗用を防ぐ読取り保護、(3)プログラムの使用権を保護し、プログラムの暴走を防ぐ実行保護がある。

[編集部]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「記憶保護」の意味・わかりやすい解説

記憶保護
きおくほご
memory protection; storage protection

コンピュータの記憶装置のある部分をプログラム的に書き換え禁止にして,その内容を保護することをいう。記憶保護を行うために特殊なハードウェアをもち,命令のアドレスが記憶保護番地をさすと,その命令を拒否するようになっている場合が多い。オペレーティングシステムの常駐部分,多数のプログラムが同時並行処理されているときの他のプログラムの部分,補助記憶装置の重要なデータの部分などに記憶保護をかける。

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ASCII.jpデジタル用語辞典 「記憶保護」の解説

記憶保護

「メモリー保護」のページをご覧ください。

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