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説文通訓定声 せつもんつうくんていせいShuowen tong-xun ding-sheng

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

説文通訓定声
せつもんつうくんていせい
Shuowen tong-xun ding-sheng

中国最古の字書『説文解字』の注釈書。清の朱駿声の著。 18巻。道光 28 (1848) 年成立。『説文解字』に注釈を加えたものであるが,諧声音符ごとに同系文字をまとめ,また古代に同音あるいは近似音と考えられる字群を近くに配列する方法で,全書を 18部に分けた上古韻の枠別に再編成した。朱駿声は銭大 昕 (せんたいきん) に師事して音韻学に詳しく,本書はその学識をもとに従来の個別的な字義研究から一歩進んで,語源による単語群の構成を試みた点がユニークで,段玉裁の『段注説文解字』と並んで清代『説文』研究の双璧とされる。中国語の音韻論およびワードファミリー (単語家族) の研究に大きな影響を及ぼした。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

説文通訓定声
せつもんつうくんていせい

中国の字書。18巻。朱駿声(しゅしゅんせい)(1788―1858)撰(せん)。1833年(道光13)成書、1870年(同治9)刊行。漢の許慎(きょしん)の著『説文解字』に偏旁(へんぼう)分類により収められた9000余の漢字を、清(しん)朝考証学の成果として明らかとなった古音(先秦(せんしん)時代の中国語音)の分類により改めて18の部に分け、各部の内部では声符(漢字の「つくり」、たとえば「紅」「江」「空」における「工」)を同じくする形声文字をまとめて配列した。これが書名にいう「定声」にあたる。各字の下には『説文解字』の注解を引用してその字の本義を示すほかに、本義から派生した引申義(著者はこれを「転注」という)および仮借(かしゃ)の用法を、古典を豊富に引用しつつ詳しく載せる。これが書名にいう「通訓」である。字形、字音、字義の由来とそれら相互の関連を示す書物として、今日でも参照する価値の大きいものである。[平山久雄]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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