諷誦文(読み)フジュモン

デジタル大辞泉 「諷誦文」の意味・読み・例文・類語

ふじゅ‐もん【××誦文】

死者冥福を祈るため、三宝さんぼうへの布施物布施趣旨などを記した文章追善法会導師が読んだ。ふうじゅもん。

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精選版 日本国語大辞典 「諷誦文」の意味・読み・例文・類語

ふじゅ‐もん【諷誦文】

  1. 〘 名詞 〙 仏語。死者の追善供養のために、三宝衆僧に布施する意や、施物のこと・その趣旨などを記して捧げる文章で、僧が代わって読むもの。法会の導師が読むことを例とした。諷誦。ふうじゅもん。
    1. [初出の実例]「宇多院為河原左相府、没後修諷誦文 紀在昌」(出典本朝文粋(1060頃)一四)

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「諷誦文」の意味・わかりやすい解説

諷誦文
ふじゅもん

仏教用語。死者の供養などのために,僧侶読経を頼む文書で,施物が記入されている。平安時代以来の風習で,これを受けた僧は読経のあとでこの文書を読上げる。

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世界大百科事典(旧版)内の諷誦文の言及

【表白】より

…願文の一種。願文は神仏に祈願する文書であるが,所領を寄進して所願を述べる寄進状形式の願文,造塔堂,造仏,写経などに際して所願を述べ供養する供養願文,施物を表示し諷誦(ふじゆ)を所願する諷誦文など多種に及ぶ。表白は,以上のような施主・願主が認める願文とは異なり,施主・願主から依頼を受けた導師あるいは表白師が,修法・法会の開白または結願に際して,本尊の宝前にて法事の旨趣を啓白(けいびやく)すること,または啓白する文をいう。…

※「諷誦文」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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