デジタル大辞泉 「譲る」の意味・読み・例文・類語 ゆず・る〔ゆづる〕【譲る】 [動ラ五(四)]1 自分の物・地位・権利などを他人に与える。譲渡する。「財産を―・る」「後進に道を―・る」2 欲しい人に売る。「安値で―・る」3 自分を後にし他人を先にする。「席を―・る」「順番を―・る」4 自分の主張を抑えて他人の主張を通させる。譲歩する。「自説に固執して―・らない」5 他の機会にする。「会見は後日に―・ろう」[可能]ゆずれる[類語]譲り渡す・譲渡・譲与・分譲・委譲・明け渡す・手放す・引き渡す・やる 出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例
精選版 日本国語大辞典 「譲る」の意味・読み・例文・類語 ゆず・るゆづる【譲】 〘 他動詞 ラ行五(四) 〙① 自分の所有する物を他に与える。物、権利、地位などをそっくりそのまま他の人に授け与える。譲渡する。譲与する。[初出の実例]「釈迦の御足跡石に写し置き敬ひて後の仏に由豆利(ユヅリ)まつらむ捧げまうさむ」(出典:仏足石歌(753頃))② 他の人にゆだねる。まかせる。[初出の実例]「ゆづりおきてなど、思ひたまへつるもしるく」(出典:蜻蛉日記(974頃)中)③ 他の人におしつける。責任などを転嫁する。[初出の実例]「宮は、二の宮をすさまじと人の思申たりしも心苦しくて、人知れずゆづる方なくて、あはれと思きこえさせ給へり」(出典:栄花物語(1028‐92頃)殿上の花見)④ 自分を後にして他を先にする。譲歩する。[初出の実例]「謙 訓由豆流(ユヅル)」(出典:新訳華厳経音義私記(794))「どうしても直さなければ気がすまないと譲らない」(出典:二人だけの旅(1970)〈津村節子〉)⑤ 辞退して、他の人がそれに代わるようにする。[初出の実例]「内より、和琴さし出でたり。かたみにゆづりて、手触れぬに」(出典:源氏物語(1001‐14頃)竹河)⑥ ( 相手に劣って、今まで占めていた地位を、その人にあけ渡す意から ) ひけをとる。[初出の実例]「塩湖府の繁庶は、礦山の利による、〈略〉銀脈を蔵せることの多き、『ネヴァタ』州に譲らず」(出典:米欧回覧実記(1877)〈久米邦武〉一)⑦ その時にはしないで、他の機会にする。[初出の実例]「此一団が八百松の楼に登りて、いかなる面白き物語や生ずる。そは数丁の後にゆづりて、しばらく楼上の話にうつらん」(出典:当世書生気質(1885‐86)〈坪内逍遙〉八) いず・るいづる【譲】 〘 他動詞 ラ行四段活用 〙 「ゆずる(譲)」の変化した語。 出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例