譲〔讓〕(読み)ジョウ

精選版 日本国語大辞典の解説

いず・る いづる【譲】

〘他ラ四〙 「ゆずる(譲)」の変化した

ゆずり ゆづり【譲】

〘名〙 (動詞「ゆずる(譲)」の連用形の名詞化) 譲ること。また、譲り受けること。また、そのもの。譲渡。譲与。
※大唐西域記巻十二平安中期点(950頃)「五印度の国の咸く推(ユツ)り高く」
※高野本平家(13C前)一「主上は二歳にて御禅(ユヅリ)をうけさせ給ひ」

ゆず・る ゆづる【譲】

〘他ラ五(四)〙
① 自分の所有する物を他に与える。物、権利、地位などをそっくりそのまま他の人に授け与える。譲渡する。譲与する。
※仏足石歌(753頃)「釈迦の御足跡石に写し置き敬ひて後の仏に由豆利(ユヅリ)まつらむ捧げまうさむ」
② 他の人にゆだねる。まかせる。
※蜻蛉(974頃)中「ゆづりおきてなど、思ひたまへつるもしるく」
③ 他の人におしつける。責任などを転嫁する。
※栄花(1028‐92頃)殿上の花見「宮は、二の宮をすさまじと人の思申たりしも心苦しくて、人知れずゆづる方なくて、あはれと思きこえさせ給へり」
④ 自分を後にして他を先にする。譲歩する。
※新訳華厳経音義私記(794)「謙 訓由豆流(ユヅル)
※二人だけの旅(1970)〈津村節子〉「どうしても直さなければ気がすまないと譲らない」
⑤ 辞退して、他の人がそれに代わるようにする。
※源氏(1001‐14頃)竹河「内より、和琴さし出でたり。かたみにゆづりて、手触れぬに」
⑥ (相手に劣って、今まで占めていた地位を、その人にあけ渡す意から) ひけをとる。
※米欧回覧実記(1877)〈久米邦武〉一「塩湖府の繁庶は、礦山の利による、〈略〉銀脈を蔵せることの多き、『ネヴァタ』州に譲らず」
⑦ その時にはしないで、他の機会にする。
※当世書生気質(1885‐86)〈坪内逍遙〉八「此一団が八百松の楼に登りて、いかなる面白き物語や生ずる。そは数丁の後にゆづりて、しばらく楼上の話にうつらん」

ゆずろ・う ゆづろふ【譲】

〘他ハ下二〙 互いに譲る。譲り合う。
※源氏(1001‐14頃)帚木「上は下に助けられ、下は上に靡きて、事、広きにゆづろふらん」

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

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