朝日日本歴史人物事典 「谷宗養」の解説
谷宗養
生年:大永6(1526)
戦国時代の連歌師。無為,半松斎とも号す。連歌界の実力者である谷宗牧の子で,天文11(1542)年には連歌論の『当風連歌秘事』を父から与えられており,後継者たるべく育てられた。宗牧が死に臨んで古今伝授の相伝文書が入った箱に辞世歌を添え,近衛稙家に宗養の庇護を頼んだことは有名である。宗牧時代からの有力連歌師寿慶,里村昌休が没した天文20年代(1551~55)には連歌界の第一人者となり,近衛稙家,三条西公条,三好長慶らと交際するも早世した。著書に昌休と共著の『連歌天水抄』などがあるが,宗養独自の連歌論と呼べるものはほとんどない。<参考文献>木藤才蔵『連歌史論考』下
(伊藤伸江)
出典 朝日日本歴史人物事典:(株)朝日新聞出版朝日日本歴史人物事典について 情報