歯髄(読み)シズイ

デジタル大辞泉 「歯髄」の意味・読み・例文・類語

し‐ずい【歯髄】

歯髄腔を満たしている線維性の結合組織血管リンパ管神経に富み、歯の栄養をつかさどる。

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精選版 日本国語大辞典 「歯髄」の意味・読み・例文・類語

し‐ずい【歯髄】

  1. 〘 名詞 〙 歯の内部にある空所(歯髄腔)を満たす、柔らかい結合組織。神経や血管が豊富に分布する。感覚が鋭敏で、俗に歯の神経という。

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百科事典マイペディア 「歯髄」の意味・わかりやすい解説

歯髄【しずい】

の内部の歯髄腔を満たす軟組織。歯髄細胞という一種結合組織細胞の間に,歯髄繊維が密に走っており,歯根尖孔(せんこう)から入ってくる神経と血管が分布する。歯の痛みはこの神経が感じるもので,俗に〈歯の神経を抜く〉というのは歯髄除去をさす。
→関連項目歯髄炎抜歯

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「歯髄」の意味・わかりやすい解説

歯髄
しずい

象牙質(ぞうげしつ)に囲まれた歯の中心部にある軟組織で、血管と神経に富む。歯髄は、象牙質形成と歯に加わる刺激を感受する機能をもっており、一般に「神経」とよばれる部分である。歯の治療の際の強い痛みは、歯髄の神経線維が刺激されて生じる。

[村井正昭]


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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「歯髄」の意味・わかりやすい解説

歯髄
しずい
dental pulp

歯の内部には,象牙質に囲まれた歯髄腔という空洞がある。その中を満たしている軟組織を歯髄という。俗に「神経」といわれる部分。歯髄細胞,象牙芽細胞,円形細胞,膠原線維,神経,血管,リンパ管などから成っている。神経,血管,リンパ管は歯根の先端にある根尖孔から出入している。神経の枝は,象牙芽細胞層を経て象牙質に入り,その表層に達している。う蝕 (虫歯) が進行して歯髄が侵されると,種々の歯髄炎を起し,激痛を感じる。

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栄養・生化学辞典 「歯髄」の解説

歯髄

 歯の中心部の神経,血管,リンパ管を含む結合組織で,歯の生活反応を支配している.

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世界大百科事典(旧版)内の歯髄の言及

【歯痛】より

…歯痛は(1)の歯および歯周組織の疾患が原因となっているものが多く,また(5)の三叉神経痛様の痛み,あるいは歯が原因で手や足にまで痛みを起こす連関痛もある。
[歯髄の炎症によって生じる痛み]
 虫歯になったり,外傷によって歯の表面のエナメル質がなくなると,食事あるいは談話の際,冷たい水や空気にふれるなど,物理的および化学的刺激が象牙質を通して歯髄に加わり,しみる感じ,ないしごく短時間の痛みを生じる。外傷の程度が強い場合または虫歯がエナメル質から象牙質の深くまで進行すると,歯髄に炎症が起こり(歯髄炎)強い痛みを生じる。…

【歯】より

… 第2はその他すべての脊椎動物,つまり顎骨(がくこつ)を備えた顎口類にみられるリン酸カルシウム質の歯で,真の歯ともいうべきものである。これは中心部にある歯髄,主体をなす象牙質,歯冠表面のエナメル質,および哺乳類の歯根表面にあるセメント質という4種の組織からなる特異な器官で,発生学的には歯髄,象牙質,セメント質は真皮を母体とし,エナメル質は口腔上皮を母体として形成される。エナメル質は鉱物質の結晶のかたまりで,生体中で最も硬度の高い組織であるが,他の3組織は生活組織である。…

※「歯髄」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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