貝多羅葉(読み)バイタラヨウ

  • ▽貝多羅葉
  • ばいたらば
  • ばいたらよう ‥エフ
  • ばいたらよう〔エフ〕

百科事典マイペディアの解説

古代,インド,ビルマ(ミャンマー),タイ,セイロン(スリランカ)などで,シュロ科の一種の植物の横長の葉を5cm×50cmぐらいに切り,表面に鉄筆で文字を書き何枚もつづったもの。貝多羅は梵(ぼん)語のパトラ(樹葉)の音写。多葉,貝葉ともいう。
→関連項目タラヨウ

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精選版 日本国語大辞典の解説

※洒落本・聖遊廓(1757)「黒いばいたらばの気を持ちやれ」
〘名〙 (「ばいたら」はpattra の音訳。樹葉の意) 古代インドで経文を写したタラジュの葉。葉面に掻き傷をつけると黒褐色に変わり書写の用をなした。貝多羅樹葉。貝多羅。貝葉。貝書。ばいたらば。〔大和本草(1709)〕

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世界大百科事典内の貝多羅葉の言及

【経木】より

…経木の語は片木を短冊形にして経文を書写したことによる呼称で,三条西実隆の日記には法華経を書写するために経木を買った記事があり,そうした写経の遺品としては奈良元興寺極楽坊に鎌倉~室町期のものが伝存し,柿経(こけらぎよう)と呼ばれている。これは古代インドでパルミラヤシの葉を大きな短冊形に切って経文を書いた貝多羅葉(ばいたらよう)の古制をとどめるもので,厚さ2~3mmの片木を24.2cm×1.8cmほどに切りそろえ,その両面に各1行17字ずつの経文を書き,20枚ほどを単位として束ねた。望月信亨の《仏教大辞典》はこれを〈笹塔婆,細塔婆,或は木簡写経とも云ふ〉としている。…

【ナーガラクルターガマ】より

…当時のマジャパイトは国王ラージャサナガラ(通称ハヤム・ウルク)のもとで最盛期にあり,作者は仏教の最高聖職者の家庭に生まれて,幼時には王の遊び友だちであったと伝えられる。この長編叙事詩が世に知られるようになったのは,1894年にロンボク島で写本が発見されてからで,それはヤシの葉を短冊形に切った貝葉(貝多葉,貝多羅葉ともいう)に古代ジャワ語で刻まれたものである。内容は13世紀初頭から14世紀中葉までのシンガサリ王国とマジャパイト王国の歴史を物語っている。…

【本】より

…数十葉を重ね,一定の場所に穴をあけて糸を通し,同じ大きさの木製の板の間に収めて散乱を防ぐ。インド,ビルマ(現ミャンマー),セイロンなどの仏教国では,仏典がこの貝多羅葉(ばいたらよう)によって保存・伝達されたため,金属や紙を材料とする場合にも,同じ形態がまねられた。
[メソポタミア]
 ティグリス,ユーフラテス両大河の間にはさまれたこの地方では,年中絶えず河水によって泥が運ばれたために,粘土の供給が豊かであり,粘土板が書物となった。…

※「貝多羅葉」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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