負人(読み)おいにん

精選版 日本国語大辞典 「負人」の意味・読み・例文・類語

おい‐にんおひ‥【負人】

  1. 〘 名詞 〙
  2. 借金している人。債務者。ふにん。
    1. [初出の実例]「諸人所領百姓負物事 就訴人申状、被負人在所之間、有難渋輩之時」(出典:新式目‐弘安七年(1284)五月二七日)
  3. 中世質入れをする人。質置人。おいびと。
    1. [初出の実例]「於自今以後者、入置質物之日、可知負人交名在所」(出典:新編追加‐建長七年(1255)八月一二日)

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「負人」の意味・わかりやすい解説

負人
ふにん

荘園制における農民呼称荘民が,その居住する甲という荘園から乙という荘園もしくは公領に出作した場合,その荘民は甲の領主に対して雑役 (ぞうやく) を負担する義務を負ったから,甲の領主側はその荘民を負人と称し,乙の領主側からは寄人 (よりゅうど) と呼ばれた。年貢は出作地の領主,国衙に納め,公事夫役従来の領主に納めるという支配関係で,雑役免 (ぞうやくめん) ,半不輸田,一色田などはこうした関係のうえに成立していた。 (→負名 )

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