鎌倉幕府の追加法を集成し分類した法令集。編者未詳。室町中ごろ以降の成立。新編とは,在来の編年的な追加集を新しく分類編集した意であろう。全362条(正確には367条)の追加法を神社,仏舎,政所,侍所,雑務の5編に大別し,さらにそのうちを総計31項目に分類する(ただしそのうち1条のみは室町幕府の追加法)。その分類項目から当時の法意識を知ることができ,また現在の検出・利用にも大いに役だつ。収録の法令数は《近衛家本追加》に次いで多く,そのうえ字句の正しい良質本より採録したことが諸本との比較によってわかる。分類体と相まって利用するのに至便であり,また各法令の校訂に役だつ。最も知られた前田家の慶長写本のほかにも古写本がある。《式目新編追加》の前半は本書を抄出したものであり,また本書の再分類を試みた古写本もある。《日本古代法典》《続群書類従》所収。
執筆者:後藤 紀彦
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
鎌倉幕府の発した単行法令の集成書。編者不詳。鎌倉幕府の基本法典である御成敗式目(ごせいばいしきもく)を施行するうえで、その不備を補い、また新事態に対応すべく発せられた単行法令を、一般に式目追加あるいは単に追加と称した。今日に伝わる追加集の数は多いが、その多くが編年体で追加を収めるのに対し、本書は、全体を神社、仏舎、侍所(さむらいどころ)、政所(まんどころ)、雑務の5編に分け、内容別に追加を収めているのが特色である。類書のなかで『近衛(このえ)家本追加』に次いで所載法令の数が多く(合計336条)、鎌倉時代の政治・法制を知るうえで恰好(かっこう)の史料を提供している。写本は楷書(かいしょ)体に近く、室町時代の成立とされている。『中世法制史料集 第1巻』『続群書類従』所収。
[古澤直人]
鎌倉幕府の追加法を集成した法令集。全体を神社編・仏舎編・侍所編・政所編・雑務編の5編31目にわけ,収録する367カ条のうち335カ条が鎌倉幕府追加法。室町中期以降の成立。鎌倉幕府追加法を集めた諸本のうち「近衛家本追加」についで収録条文数が多く,条文校訂上の重要資料。奉行人が根拠となる過去の法令を参照して判決を定めるというスタイルの確立にともなって集成されたと推定され,編別および条文配列のあり方には,室町後期に発達する意見(いけん)制度などとの関連が推測される。
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