170キロボルト以上の電圧の電力系統をいう。電力系統の電圧は系統規模の拡大とともに逐次高電圧化し、275キロボルト、500キロボルトなどが採用されている。明治20年代の電力系統発足当時は210ボルト(直流方式)が採用され、引き続いて3000ボルト(交流方式)へと移行し、系統の拡大とともに明治時代後半には66キロボルトが、大正時代にはさらに154キロボルトが導入されるに至った。一般に発電所は用地事情や環境面の制約などから遠隔地に建設される。ここで発生する大電力を需要の中心地まで輸送するには、もっとも信頼度が高く損失が少ない送電方式が必要であり、このため高電圧化、大電流化(電線の太線化、多導体の採用など)が進められてきた。発電機の発生電圧は発電機の絶縁特性などを考慮し、もっとも経済的な10キロ~30キロボルトが採用されている。発電所から需要地までの電力輸送は超高圧送電線が用いられ、需要家近傍において変電所の変圧器で逐次電圧を低下させ、一般の需要家においては6600ボルトの配電線で供給されている。一般家庭には配電線の柱上変圧器でさらに電圧を下げ、100(あるいは200)ボルトで供給している。諸外国においても大電力の輸送のため高電圧化が進められ、750キロボルトの例もある。日本においては電力需要の伸びとともにさらに大電力輸送が必要となるので、UHV(ultra high voltage。1000キロボルト)の技術が開発され、UHV送電線がすでに建設されている(2012年時点では500キロボルトで運転中)。この日本のUHV送電の技術は国際電気標準規格(IEC規格。IEC=国際電気標準会議が定めた国際規格)に採用されている。超高圧送電では鉄塔の高さは数十メートルに達すること、鉄塔径間(鉄塔間の距離)が数百メートルにも及ぶこと、送電線も太線化あるいは多導体化(たとえば4導体、8導体)することなどから、機械的強度などに配慮して建設される。また、雷事故などの影響を最小限にとどめるために架空地線(鉄塔最上部に設置するアース線)、アーキングホーン(落雷のとき電線支持碍子(がいし)の損傷を防止するためのもの)などが付加されている。
[内田直之]
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…交流を用いる場合を交流送電,直流の場合を直流送電という。交流送電は通常三相交流を用い,送電電圧によって超高圧送電,UHV送電などと呼ばれる。
[歴史]
電気がエネルギーとして最初に実用化されたのはアーク灯であった。…
※「超高圧送電」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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