六訂版 家庭医学大全科 「足趾挫滅創」の解説
足趾挫滅創
そくしざめつそう
Crushed toe
(外傷)
どんな外傷か
足は地面を踏みしめ、外界と接する機会が多いので、けがをしやすい部位です。とくに先端の足趾(足の指)は、石やボールを蹴飛ばしたり、ドアにはさんだり、時にはタイヤにひかれて爪が死んだり、骨が折れたり、
治療の方法
爪をつぶすと、
趾にはおのおの3本の骨があります。趾をドアや机の下に突っ込んで骨折する人も少なくありません。
関節面が折れてずれていなければ、隣の趾とテープで固定し、3週間ほどおとなしくしていれば治ります。テープを強く巻きすぎたり、足を下げっぱなしにしたりしてはれてしまうと痛むことがあるので注意してください。
もちろんアルミの副木やギプスで固定してもかまいませんが、意外と難しく、歩きづらいものです。初期には氷で冷やして持ち上げておくと、痛みもはれも軽くなり、治りもよいようです。
趾に重たい物を落として挫滅すると、骨が折れなくても、内出血してはれたり、皮膚が裂けて出血したりします。傷の処置をしたあとは、骨折と同じように、冷やして持ち上げます。神経も傷ついているので、骨が折れていなくても、3週間以上痛みが続くことが少なくありません。
最初の傷の処置が悪いと、化膿してしまうこともあります。けがをした時に汚れていたり、傷を処置するまでに1日以上あったりすると、化膿する可能性が大きくなります。一度引いた痛みやはれがぶり返したり、変なにおいがしたり、分泌物が多い場合には、もう一度、受診してください。
井口 傑
出典 法研「六訂版 家庭医学大全科」六訂版 家庭医学大全科について 情報