車裂(読み)シャレツ

デジタル大辞泉 「車裂」の意味・読み・例文・類語

しゃ‐れつ【車裂】

車裂くるまざ」に同じ。

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精選版 日本国語大辞典 「車裂」の意味・読み・例文・類語

しゃ‐れつ【車裂】

  1. 〘 名詞 〙 車二台に罪人の各片足をしばりつけ、車を左右に引き離してからだを裂く刑。くるまざき。
    1. [初出の実例]「堯舜五刑、禹穆贖形、秦之車裂、楚之鼎鑊也」(出典:異制庭訓往来(14C中))
    2. [その他の文献]〔春秋左伝‐襄公二二年〕

くるま‐ざき【車裂】

  1. 〘 名詞 〙 中世に行なわれたという刑罰一つ。二両の車に片足ずつを縛りつけ、車をそれぞれ反対方向に走らせて罪人の肢体を引き裂くもの。
    1. [初出の実例]「車裂にせられたりなど申すぞかし」(出典:愚管抄(1220)七)

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「車裂」の意味・わかりやすい解説

車裂
くるまざき

戦国時代生命刑一種。古代中国のかん裂にならったもの。車2両に囚人の片足ずつを結びつけ,車を逆方向に動かすことにより,その身体を2分すること。戦国諸大名の家法においては,一般予防のための威嚇刑が,多く見出されるが,車裂は,牛裂,鋸挽 (のこぎりびき) などとともに,そのはなはだしきものの一つである。

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普及版 字通 「車裂」の読み・字形・画数・意味

【車裂】しやれつ

車ざきにする刑。〔戦国策、楚一〕居ること二年にして、(詐り)覺(あら)はる。齊王大いに怒り、秦を市に車裂す。

字通「車」の項目を見る

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世界大百科事典(旧版)内の車裂の言及

【刑罰】より

…五刑とは黥(げい)(また墨(ぼく),顔面への入墨),劓(ぎ)(はなきり),刖(げつ)(また剕(ひ),あしきり),宮(きゆう)(男子は去勢,女子は幽閉),大辟(たいへき)(死刑)であり,生命刑と肉刑と称された身体刑(終身の強制労働をともなう)より成る。死刑の種類は,炮烙(ほうらく),焚(ふん)などの火刑をはじめ,烹(ほう)(かまゆで),車裂(また轘(かん)),支解(しかい)(四肢を断つ),腰斬(ようざん),磔(たく)(はりつけ),梟首(きようしゆ)(さらし首)など過酷なものも多い。棄市(きし)とは市場での公開処刑であり,また夷三族など親族まで死刑に処することもあった。…

【刑罰】より

…五刑とは黥(げい)(また墨(ぼく),顔面への入墨),劓(ぎ)(はなきり),刖(げつ)(また剕(ひ),あしきり),宮(きゆう)(男子は去勢,女子は幽閉),大辟(たいへき)(死刑)であり,生命刑と肉刑と称された身体刑(終身の強制労働をともなう)より成る。死刑の種類は,炮烙(ほうらく),焚(ふん)などの火刑をはじめ,烹(ほう)(かまゆで),車裂(また轘(かん)),支解(しかい)(四肢を断つ),腰斬(ようざん),磔(たく)(はりつけ),梟首(きようしゆ)(さらし首)など過酷なものも多い。棄市(きし)とは市場での公開処刑であり,また夷三族など親族まで死刑に処することもあった。…

※「車裂」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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