デジタル版 日本人名大辞典+Plus 「辰蔵」の解説
辰蔵(1) たつぞう
近江(おうみ)(滋賀県)膳所(ぜぜ)で研ぎ職人となる。文政6年膳所藩士平井市郎次をきり殺して逃亡したが,10年閏(うるう)6月12日市郎次の弟の外記(げき)と九市に郷里讃岐(さぬき)(香川県)で討たれた。のち歌舞伎や戯曲に「研辰物(とぎたつもの)」として脚色された。研屋辰蔵ともいう。
辰蔵(3) たつぞう
文政2年生まれ。紀伊(きい)日高郡(和歌山県)の天寿丸乗組員。嘉永(かえい)3年伊豆(いず)沖で遭難し,2ヵ月あまり漂流してアメリカの捕鯨船に救助される。ロシア船にうつされカムチャツカからアラスカにおくられる。5年露米会社の船で伊豆下田に送還され,翌年帰郷。和歌山藩の水主となった。