辰蔵(読み)たつぞう

デジタル版 日本人名大辞典+Plus 「辰蔵」の解説

辰蔵(1) たつぞう

?-1827 江戸時代後期の研ぎ師。
近江(おうみ)(滋賀県)膳所(ぜぜ)で研ぎ職人となる。文政6年膳所藩士平井市郎次をきり殺して逃亡したが,10年閏(うるう)6月12日市郎次の弟の外記(げき)と九市に郷里讃岐(さぬき)(香川県)で討たれた。のち歌舞伎や戯曲に「研辰物(とぎたつもの)」として脚色された。研屋辰蔵ともいう。

辰蔵(3) たつぞう

1819-? 幕末の漂流民。
文政2年生まれ。紀伊(きい)日高郡(和歌山県)の天寿丸乗組員。嘉永(かえい)3年伊豆(いず)沖で遭難し,2ヵ月あまり漂流してアメリカ捕鯨船に救助される。ロシア船にうつされカムチャツカからアラスカにおくられる。5年露米会社の船で伊豆下田に送還され,翌年帰郷。和歌山藩水主となった。

辰蔵(2) たつぞう

?-? 江戸時代後期の漂流民。
陸奥(むつ)石巻(宮城県)の若宮丸乗組員。寛政5年(1793)仙台沖で遭難し,ロシア領に漂着イルクーツクで乗組仲間の善六と同時にロシア正教に入信し,帰化した。ロシア名はアンドレイ=アレクサンドロビッチ=コンドラトフ。

出典 講談社デジタル版 日本人名大辞典+Plusについて 情報 | 凡例

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