通信制大学(読み)つうしんせいだいがく(その他表記)correspondence university

大学事典 「通信制大学」の解説

通信制大学
つうしんせいだいがく
correspondence university

1947年に学校教育法で制度化され,50年に正規の大学教育課程として認可された遠隔教育による大学である。その学習方法は,テキスト等に指定された「印刷教材等による授業」,放送等の視聴による「放送授業」,教員講義等による「面接授業」,インターネット等の多様な「メディアを利用して行う授業」の四つのいずれか,または併用によるものと大学通信教育設置基準(昭和56年10月29日文部省令第33号)に規定されている。筆記試験等の入学試験はなく,入学資格等の書類審査により,ほぼ全員が入学できる。入学時期は4月と10月の2期を設定している大学が多く,学費は通学課程に比べると格段に安価である。通信制大学は,高等学校を卒業またはそれと同等以上の学力がある者に大学教育を受ける機会を拡大させる役割を担ってきたが,今日では大学・短期大学を卒業後に通信制大学に編入する者の割合が5割を占める。通信制による短期大学は縮小し,大学院が増加傾向にある。今日の通信制大学には,教育機会の格差是正とともに高度人材育成が期待されている。
著者: 中村香

出典 平凡社「大学事典」大学事典について 情報

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