共同通信ニュース用語解説 「通訳案内士」の解説
通訳案内士
1949年に創設された国家資格で、通訳ガイドとして訪日外国人旅行者を有料で案内できる。英中韓など10言語に対応しており、試験の合格率は2割程度。観光庁によると、今年4月時点で資格取得者は2万2754人。対応する言語は英語が全体の7割を占め、大都市の在住者に偏っている問題も指摘されている。
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1949年に創設された国家資格で、通訳ガイドとして訪日外国人旅行者を有料で案内できる。英中韓など10言語に対応しており、試験の合格率は2割程度。観光庁によると、今年4月時点で資格取得者は2万2754人。対応する言語は英語が全体の7割を占め、大都市の在住者に偏っている問題も指摘されている。
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外国人旅行者を有償で案内する通訳ガイド。外国人に日本の歴史や文化を正しく理解しよい印象をもってもらう目的で導入された。国家資格の「全国通訳案内士」と、地方自治体が独自登録する「地域通訳案内士」がある。「全国通訳案内士」は、通訳案内士法に基づき、観光庁の通訳案内士試験に合格し、都道府県知事の登録を受ける。試験(筆記・口述)は英、中国、スペイン、フランス、ドイツ、ロシア、イタリア、ポルトガル、韓国、タイの10言語試験のほか歴史、地理、文化、産業、経済、政治、案内実務などの知識を問う。試験は年1回で国籍、年齢、学歴を問わず受験できる。2017年(平成29)4月時点で登録者は2万2754人。うち英語合格者が7割を占め中国語は1割程度。登録者の4分の3は東京など都市部に偏在する。登録後、全国通訳案内士は3~5年ごとに、定期研修を受ける義務がある。「地域通訳案内士」はTOEIC(トーイック)などで一定の語学力があると認められた人を対象に、自治体が研修などで資格を独自に付与できる。特定地域に限って有償観光ガイドを行うことが可能である。規制緩和で2006年に導入された「地域限定通訳案内士」(沖縄など6道県で導入)や2012年導入の「特例通訳案内士」(金沢市など全国20地域で導入)も地域通訳案内士とみなされる。
政府は有資格者にしか有償ガイドを認めてこなかったが、外国人旅行者の急増で規制を緩和し地方独自の通訳案内士を導入。2017年には、1949年(昭和24)の制度開始以来初の抜本改革として通訳案内士法を改正(2018年1月施行)し、無資格者にも有償ガイドを認めたほか、ガイドが不足する地方限定の「地域通訳案内士」を創設した。ただ通訳案内士団体などから「ガイドの質が低下し、悪質ガイドが横行する」との指摘がでたため、政府は、(1)旅行業法を改正し、ガイドを斡旋(あっせん)する旅行手配業者(ランドオペレーター)を登録制とする、(2)ガイド手配にあたっては有資格者を優先し、無資格者にも研修受講をよびかける、などの対策をとる。
[矢野 武 2017年12月12日]
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