改訂新版 世界大百科事典 「道詵」の意味・わかりやすい解説
道詵 (どうせん)
To-sǒn
生没年:827-898
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
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朝鮮、新羅(しらぎ)末の禅僧。俗姓は金氏、諡号(しごう)は了空禅師。全羅南道、霊岩の人。15歳で出家し、月遊山華厳(けごん)寺で経論を学んだ。のち桐裏(とうり)山の恵徹(えてつ)禅師に参禅し大悟した。白鶏(はくけい)山玉竜(ぎょくりゅう)寺に住すること35年、玉竜子と称された。高麗(こうらい)の太祖(王建)は道詵の進言によって都を定めた。道詵の唱えた風水説は高麗、李朝(りちょう)を通じて大きな影響を与えた。それは、天下を太平にし、人民を安寧にするには、朝鮮の山川の重要な場所に寺塔を建立するという説である。高麗の粛宗(在位1096~1105)より王師、仁宗(在位1123~1146)より先覚国師の号を追贈された。
[鎌田茂雄 2017年3月21日]
…【沢田 瑞穂】
[朝鮮]
朝鮮では中国から導入されて三国時代にはすでに都邑の占地の論拠として重視された。新羅末から高麗初にかけて道詵(どうせん)によって体系として普及し始め,高麗朝においては仏寺建立と結びついて王室から重んじられた。道詵は朝鮮の地形を舟形とみなし,太白山・金剛山はその船首に,月出山はその船尾にあたり,扶安の辺山は舵,智異山は櫂,雲住山は腹部に当たるとし,国家安泰を図るにはこの舟を安定させるため要所に寺塔を建て仏像を安置すべしと唱えた。…
※「道詵」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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