遠山プラン(読み)とおやまプラン

大学事典 「遠山プラン」の解説

遠山プラン
とおやまプラン

2001年(平成13)6月に当時の遠山敦子文科相が発表した大学改革方針,「大学(国立大学)の構造改革の方針―活力に富み国際競争力のある国公私立大学づくりの一環として」の通称。小泉純一郎首相が国会で国立大学民営化に言及したことへの文部科学省としての対案だったとされ,国立大学に関する改革に主眼が置かれたものであった。その内容は国立大学の再編統合の推進,そこへの民間的発想の経営手法の導入,第三者評価による競争原理導入の3点を柱とした,市場原理主義色に濃厚に彩られたものである。とくに国立大学については国立大学法人への移行が明言され,大学数の削減,教員養成学部の地方移管,業績主義的人事システムの導入,一部の独立採算制への移行が盛り込まれるなど,関係者に大きな衝撃を与えた。その後の展開をみると,この構想が多くの点で以後の大学改革のマスタープラン的な役割を果たしているともいえる。
著者: 伊藤彰浩

出典 平凡社「大学事典」大学事典について 情報

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