遠離(読み)エンリ

デジタル大辞泉 「遠離」の意味・読み・例文・類語

えん‐り〔ヱン‐〕【遠離】

[名](スル)距離思想性格などが遠くかけ離れていること。「理想とは遠離した世界

おん‐り〔ヲン‐〕【遠離】

遠ざかり離れること。また、遠くへ離すこと。〈日葡
仏語。執着を捨て悟りの境界にあること。

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「遠離」の意味・読み・例文・類語

とお‐ざ・ける とほ‥【遠離】

〘他カ下一〙 とほざ・く 〘他カ下二〙
① 遠くへ離れさせる。とおのかせる。
※大日経治安二年点(1022)「水輪稍に相ひ遠(トホサク)
安愚楽鍋(1871‐72)〈仮名垣魯文〉三「うるさくとりまく仲間のものをとほざけたるは」
② 近寄らないようにする。親しくしない。疎遠にする。うとんじる。
太平記(14C後)一二「さしも眤(むつましかる)可き夫婦・父子の中をだに遠(トヲザ)くるは、讒者の偽也」

とお‐ざか・る とほ‥【遠離】

〘自ラ五(四)〙
① 遠くに離れる。ある場所から離れて遠くなる。とおのく。
書紀(720)垂仁二年一〇月(熱田本訓)「遂に浮海に遠(トヲサカリ)日本の国に入る」
② 疎遠になる。縁遠くなる。親しまないようになる。うとくなる。とおのく。
※地蔵十輪経元慶七年点(883)四「常に福田に近づきて、諸の破戒を遠(トホザカ)らむ」

おん‐り ヲン‥【遠離】

〘名〙
① 遠く離れること。また、遠くへ離すこと。えんり。
※妙一本仮名書き法華経(鎌倉中)六「自高こころを遠離(ヲンリ)(〈注〉トヲサカリハナレ)して、つねに智恵を思惟し」 〔諸葛亮出師表
② 仏語。あらゆる煩悩(ぼんのう)きずなから解放されたさとりの境界である無為をいう。〔維摩経‐下〕

えん‐り ヱン‥【遠離】

〘名〙
① 遠く離れること。また、遠く離れていること。おんり。〔日葡辞書(1603‐04)〕〔諸葛亮‐出師表〕
② 遠ざけること。
※柵草紙の山房論文(1891‐92)〈森鴎外〉早稲田文学の後没理想「戯曲の作者は全く個人の主観(能感)を遠離して、深く曲中人物の主観に潜めり」

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

普及版 字通 「遠離」の読み・字形・画数・意味

【遠離】えんり・おんり

離れる。

字通「遠」の項目を見る

出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報

今日のキーワード

焦土作戦

敵対的買収に対する防衛策のひとつ。買収対象となった企業が、重要な資産や事業部門を手放し、買収者にとっての成果を事前に減じ、魅力を失わせる方法である。侵入してきた外敵に武器や食料を与えないように、事前に...

焦土作戦の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android