遺伝子の異常がおもな原因となっておこる疾患で狭義の遺伝病hereditary diseaseに相当する。遺伝子は染色体上に配列されたDNA(デオキシリボ核酸)であり、酵素タンパク質の構造を決める情報が組み込まれている。したがって、酵素タンパク質が遺伝子の情報によって合成される過程のうち、どの段階に異常が生じるかにより遺伝子疾患は分類される。
(1)遺伝情報をもつ構造遺伝子(DNA)の異常には鎌(かま)形赤血球貧血のほか、フェニルケトン尿症をはじめ、先天性代謝異常の大部分が含まれる。
(2)酵素タンパク質合成の進行を制御する調節遺伝子とオペレーター(作動遺伝子)の異常には、オロット酸尿症がある。これは貧血と発育障害が顕著な疾患で、オロチジン酸デカルボキシラーゼなどの先天的欠損のため、ピリミジン合成の過程に異常をきたすことによっておこる。
(3)遺伝情報に即した酵素タンパク質の合成を可能にさせるメッセンジャーRNA(伝令RNA)の異常には異常血色素病の一つであるサラセミア(地中海貧血)がある。
[新井正夫]
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