邪視(読み)じゃし

百科事典マイペディア「邪視」の解説

邪視【じゃし】

ある人物に凝視された人や家畜や物には災いがふりかかるという信仰がある時,そうしたの力を邪視という。裕福なが被にあうと信じられている場合が多い。これには,他人からの妬みに対する怖れが邪視信仰のもとにあるとの説明がある。邪視は,それを持つとされる人の意志とは関係なく危害を及ぼすと考えられている点で,呪術との類似も指摘されている。邪視除けには,文化によってさまざまなものが護符として用いられる。

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デジタル大辞泉「邪視」の解説

じゃ‐し【邪視】

物事を正面からとらえないで、ねじけて見ること。
evil eye》にらむだけで他人に害を与えたり不幸をもたらしたりするといわれる人の気味の悪い目つき。悪魔の目。

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精選版 日本国語大辞典「邪視」の解説

じゃ‐し【邪視】

〘名〙
正面からまっすぐに物を見ないで、ながしめに見ること。ながしめ。斜視
② 不正邪悪なものを目にすること。また、邪悪なものと見なすこと。
※南方熊楠の学風(1952)〈桑原武夫〉「たとえば邪視(evil eye 見毒ともいう)というのは〈略〉特定の人または怪物に見られると、見られただけで害をうけることで」 〔顔氏家訓‐教子〕

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世界大百科事典 第2版「邪視」の解説

じゃし【邪視 evil eye】

邪眼ともいう。人や物に災いをもたらす超自然的な力をもつ目,およびその力の行使や作用をいう。アラビア語では‘ayanという。広く世界各地にこの信仰はみられるが,とくに地中海地域,中近東,南アジアに多い。そのほか北ヨーロッパ,北アフリカ,東アフリカでも信じられ,新大陸では邪視地域からの移民の間にみられる。東アジア,東南アジア,オセアニアではごくまれである。邪視の力をもつとされる人間の種類は社会によってさまざまであり,たとえばインドでは王や聖職者らの地位の高い者,エチオピアアムハラ族では低いカーストの者がもち,また中東では人はだれでも邪視をもちうると考えられている。

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世界大百科事典内の邪視の言及

【目∥眼】より

…しかしその孫の〈すべての技芸の主〉ルーグが魔法の石投機で石を投じて〈目の悪い〉バロールの目を頭の後ろにとばしたため,味方の中に落ちた目はバロール側の戦力を麻痺させてしまい,ルーグの軍が勝利を収めた。 バロールの目のように,見るものに危害や不幸を与えるものを邪視evil eyeという。邪視信仰は有史以前から世界各地にあった。…

※「邪視」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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