郊祀(読み)こうし

精選版 日本国語大辞典 「郊祀」の意味・読み・例文・類語

こう‐し カウ‥【郊祀】

〘名〙 古代中国で、天子郊外天地をまつる大礼冬至のとき、天子が国都南郊で天をまつり、夏至(げし)のとき、北郊で地をまつるもの。円丘を築き、その祖をこれに配してまつった。日本では、八~九世紀に行なわれた。郊祭。郊社
経国集(827)二〇・蔵伎美麻呂対策文「郊祀之設、無上卒、事不已因為常会」 〔漢書‐郊祀志上〕

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デジタル大辞泉 「郊祀」の意味・読み・例文・類語

こう‐し〔カウ‐〕【郊×祀】

古代中国で、天子が郊外で行った天地をまつる大礼。冬至には国都の南郊で天をまつり、夏至げしには北郊で地をまつった。郊祭。郊礼。郊社。

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普及版 字通 「郊祀」の読み・字形・画数・意味

【郊祀】こう(かう)し

天子が天地諸社を祀る。〔左伝、襄七年〕夫(そ)れ后稷を郊祀するは、以て農事るなり。

字通「郊」の項目を見る

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「郊祀」の意味・わかりやすい解説

郊祀
こうし
Jiao-si

古代中国の天子が,柴を焚いて,冬至には国都の南郊で天を,夏至には北郊で地を祀った大礼。天を祀るには円丘の壇を,地を祀るには方形の壇をつくる。帝王威厳を示すもので,清末まで行われた。

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世界大百科事典(旧版)内の郊祀の言及

【郊祭】より

…中国古代において,皇帝がその国都の郊外で天または地をまつった祭祀をいう。〈郊祀〉ということが多い。天地をまつることは,《礼記(らいき)》《周礼(しゆらい)》などの経書に散見されて,古くから行われていたようであるが,その起源の詳細については不明。…

【后土祠】より

…后土は皇天に対する語で,地祇(ちぎ),皇地祇ともいう。天と地のまつり(郊祀(こうし))と祖先のまつり(宗廟(そうびよう))とは旧体制の中国において最重要の国家祭祀であった。后土のまつりも古代から行われたが,長らく欠けたままになっていたので,漢の武帝は山西省の汾陰(ふんいん)に后土祠を建てて復活させた。…

【壇】より

…歴代の皇帝は,天命を受けて政をしく天子として,上帝をまつってその功徳に報ずる儀式を行うのがつねであった。その祭祀には,とくに霊山聖域を選んで行う封禅(ほうぜん)と,主として都城の郊外で行われる郊祀とがあった。封禅は,山上に土を盛り壇を築いて天をまつる封拝と,山下に土を平らにし塼(ぜん)(また壇,禅)をつくって地をまつる禅祭とを併称する。…

【天】より

…天の子として天の意志を代行し,天下に君臨する王者にとっては,天は自己の権威と支配の根拠であり,かつまた王朝の命運の支配者と考えられていたから,天に強い関心を抱かざるをえないのは当然である。そのもっとも端的なあらわれが天の祭り(郊祀(こうし))にほかならない。郊祀は皇帝の重要な義務として,また彼にのみ許された特権として,歴代とり行われた。…

※「郊祀」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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