(読み)コウ

デジタル大辞泉 「郊」の意味・読み・例文・類語

こう【郊】[漢字項目]

常用漢字] [音]コウカウ)(漢)
都市周辺地域。「郊外遠郊近郊西郊
天地祭り。「郊祀こうし
[名のり]おか・さと・ひろ

こう〔カウ〕【郊】

都市の周辺部。町外れ。郊外。
まさに是れ陽春、…翠色已に―に満つ」〈織田訳・花柳春話

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精選版 日本国語大辞典 「郊」の意味・読み・例文・類語

こうカウ【郊】

  1. 〘 名詞 〙
  2. 町はずれの野。市外。郊外。〔撮壌集(1454)〕
    1. [初出の実例]「嫩草未だ生ぜざるも翠色已に郊(カウ)に満つ」(出典:花柳春話(1878‐79)〈織田純一郎訳〉附録一二)
    2. [その他の文献]〔礼記‐王制〕
  3. 古く、中国で、天子が天地をまつった祭。郊祀(こうし)。〔礼記‐郊特牲〕

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普及版 字通 「郊」の読み・字形・画数・意味


常用漢字 9画

[字音] コウ(カウ)
[字訓] まちはずれ・まつり

[説文解字]

[字形] 形声
声符は(交)(こう)。〔説文〕六下に「國を(さ)ること百里を郊と爲す」とあり、〔国語、周語中〕に「國に郊牧り」というように都邑周辺の附属地である。郊は他邑と接する境界のところ。古く天を祀る郊の祭祀があり、また郊(こうばい)では子求めの祭が行われた。〔詩、商頌、玄鳥〕にはその俗のことが歌われている。〔周礼、春官、肆師〕に「(きやう)(疆)び郊に侯禳(こうじやう)す」とあるように、そこでは外の邪気を祓う侯禳の儀礼をする。異族と相接するところであった。にその意があるものと思われる。

[訓義]
1. まちはずれ、都の郊外。国城の城外五十里を近郊、百里を遠郊とする。
2. 国境、異族と接し交わるところをいう。
3. まつり、境界で行う祭。また天地の祭、冬至に天を南郊に祭り、夏至に地を北郊に祭る。また上帝を郊に祭る、即位のとき天を祭り、即位郊天という。
4. 田舎、のら。

[古辞書の訓]
〔字鏡集〕郊 サト・イタル・ツク・マジフ・アラハス

[熟語]
郊尉・郊・郊・郊・郊駅・郊園・郊・郊外郊郭・郊関郊寰郊畿郊圻郊岐郊犠・郊丘・郊牛郊墟・郊居・郊境郊衢・郊・郊迎・郊血・郊見・郊原・郊祭・郊柴・郊祀・郊使・郊祠・郊次・郊畤・郊社・郊舎・郊射・郊赦・郊戍・郊墅・郊遂・郊餞・郊桑・郊壇・郊弔・郊兆・郊亭・郊・郊天・郊甸・郊内・郊・郊陌・郊鄙・郊・郊郛・郊保・郊望・郊牧・郊野・郊邑・郊遊・郊里・郊燎・郊塁・郊礼・郊労
[下接語]
郊・遠郊・寒郊・畿郊・窮郊・郊・近郊・荒郊・在郊・四郊・春郊・親郊・西郊・青郊・蒼郊・大郊・地郊・帝郊・郊・天郊・東郊・南郊・農郊・辺郊・暮郊・北郊・卜郊・楽郊

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