都山口神社(読み)つげやまぐちじんじや

日本歴史地名大系 「都山口神社」の解説

山口神社
つげやまぐちじんじや

[現在地名]都祁村大字小山戸

小山戸おやまと東方、小字カモエ谷に鎮座。小山戸明神とも称する。祭神大山祇おおやまつみ命。旧村社。同名の神社が天理市杣之内そまのうち町にもあり、「延喜式」神名帳の山辺やまべ郡「都山口神社大、月次新嘗」を当社とする説と(大和志料)、杣之内町の社とする説がある(「大和志」、伴信友「神名帳考証」)。都山口神社は大和国一四所山口神の一で、都の山霊を祀る。天平二年(七三〇)の大倭国正税帳(正倉院文書)に「都神戸」がみえるが、都山口神社、同じく式内社の水分つげみくまり神社のいずれをさすか明らかではない。しかし大同元年(八〇六)の牒(新抄格勅符抄)に「都山口神一戸」とあり、山口神とみる説がやや有力である。仁寿二年(八五二)七月官社に列せられ(文徳実録)、天安三年(八五九)一月二七日、従五位下より正五位下に進階、同年(貞観元年)九月八日には風雨祈願のために奉幣された(三代実録)


山口神社
つげやまぐちじんじや

[現在地名]天理市杣之内町東垣内

杣之内そまのうち町集落の東方山麓に鎮座し、大山祇おおやまつみ命・久久廼知くくのち命・波爾屋須はにやす命を祀る。旧村社。「大和志」は「貞観元年正月授正五位下、在山口村、今称水口明神」とみえ、「延喜式」神名帳の山辺やまべ郡「都山口神社大、月次新嘗」にあてるが、奈良県都祁村小山戸おやまとにも同名社があり、式内社については両説ある。江戸時代の座帳(宮座文書)によると、当地山口村の氏神白山権現とあり、若宮は牛頭天王と記す。当社の境内社に素盞嗚すさのお神社(牛頭天王)があるところから、白山権現は当社の旧名と考えられる。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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