ツィーグラー(読み)つぃーぐらー(その他表記)Karl Ziegler

デジタル大辞泉 「ツィーグラー」の意味・読み・例文・類語

ツィーグラー(Karl Ziegler)

[1898~1973]ドイツの化学者。高分子化学を専攻し、触媒による低圧下でのポリエチレン製造技術を確立した。1963年、ナッタとともにノーベル化学賞受賞。

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

日本大百科全書(ニッポニカ) 「ツィーグラー」の意味・わかりやすい解説

ツィーグラー(Karl Ziegler)
つぃーぐらー
Karl Ziegler
(1898―1973)

ドイツの高分子化学者。チーグラーともいう。カッセル近くのヘルザに生まれる。1920年マールブルク大学を卒業後、同大学、フランクフルト大学、ハイデルベルク大学の講師を経て、1936年ハレ大学教授に就任した。1943年来ルール地方ミュールハイム市にあるカイザー・ウィルヘルム研究所(現、マックス・プランク研究所)の石炭研究所所長となり、有機金属化合物の研究で多くの業績をあげた。

 1930年リチウムアルキルを合成、アルカリ金属アルキルはアルキル鎖からの巨大環の合成の鍵(かぎ)を与えた。環状ケトンの合成、複素環式化合物の分野に新反応をみいだし、1942年にはカンタリジンを合成した。1953年トリエチルアルミニウムと四塩化チタンとからなる触媒(ツィーグラー触媒という)を用いると、それまで困難とされていた常温近くで数気圧という低圧下でのエチレン重合が速やかに進行することを発見した。この触媒による低圧法ポリエチレン製造技術は各国に急速に普及し、高分子化学の工業化と理論が飛躍的に発展した。この業績により1963年ナッタとともにノーベル化学賞を受賞した。1946年より5年間ドイツ化学会会長を務めた。1956年(昭和31)来日し、「エチレンの重合」について講演をし、「新しいポリエチレンは合成樹脂調査や研究についてなんの設備もない研究所で偶然におこった」と述べている。日本化学会名誉会員であった。

[矢木哲雄]


ツィーグラー(Heinrich Ernst Ziegler)
つぃーぐらー
Heinrich Ernst Ziegler
(1858―1925)

ドイツの動物学者。フライブルクに生まれ、イエナ大学の教授を務めた。扁形(へんけい)動物、線形動物、有櫛(ゆうしつ)動物、軟体動物、板鰓(ばんさい)類ほかの脊椎(せきつい)動物の記載的発生学の業績で有名。また、動物心理学の研究でも知られる。主著に『下等脊椎動物の比較発生学』(1902)、『過去および現在における本能概念』(1904)、『動物学辞典』(1909)などがある。

[川島誠一郎]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

改訂新版 世界大百科事典 「ツィーグラー」の意味・わかりやすい解説

ツィーグラー

出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報

367日誕生日大事典 「ツィーグラー」の解説

ツィーグラー

生年月日:1881年4月30日
ドイツの哲学者
1958年没

出典 日外アソシエーツ「367日誕生日大事典」367日誕生日大事典について 情報

今日のキーワード

カイロス

宇宙事業会社スペースワンが開発した小型ロケット。固体燃料の3段式で、宇宙航空研究開発機構(JAXA)が開発を進めるイプシロンSよりもさらに小さい。スペースワンは契約から打ち上げまでの期間で世界最短を...

カイロスの用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android