日本歴史地名大系 「釈ヶ岳」の解説 釈ヶ岳しやかがだけ 宮崎県:東諸県郡国富町釈ヶ岳国富町の北西部に位置する。標高八三〇・六メートル、南西部山腹は綾(あや)町に含まれる。掃部(かもん)岳(一二二三・四メートル)から南方に続く尾根筋にあり、南は矢筈(やはず)岳(七〇四メートル)に至る。東部は深年(ふかどし)川、西部は綾北(あやきた)川の流域で、いずれも深いV字谷を形成している。山麓の法華(ほけ)岳から尾根筋をたどる登山道がある。もとの法華岳(ほけだけ)寺の堂宇はこの山頂にあり、釈迦・薬師の二像を安置したという。現在の法華岳薬師寺は宮崎平野を一望できる標高約二九〇メートルの山腹台地面に位置しており、一帯は法華岳公園として整備されている。真金山法華岳寺縁起(高岡名勝志)には「そのかみ元正天皇の御宇養老二年八月八日といふ日に、この御寺の岳に紫のくも立て雲のへに、この世の常ならぬ仙楽にや、(中略)一宇の御寺を設侍り金峯山長喜寺となん名つけ給へけり。 釈ヶ岳しやかがだけ 奈良県:吉野郡下北山村釈ヶ岳下北山村と十津川村との境にある山。標高一七九九・六メートル。大峯七十五靡四〇番の宿。頂上に約五メートルの銅製釈迦如来像を安置する。「吉野郡名山図志」に「常に雲霧起り晴日まれなり。晴れれば頂上より西にあたりて紀州の海、四国、九州を眼下に見、南海を過ぎる船の帆かすかに見え熊野の諸山見ゆ(中略)大台山を始めとして東は伊勢、尾張、駿河の海を望み、晴天のあした日いまだ出ざるの頃駿河の富士山海中に見ゆ」とある。 出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報 Sponserd by