日本大百科全書(ニッポニカ) 「重クロム酸ナトリウム」の意味・わかりやすい解説
重クロム酸ナトリウム
じゅうくろむさんなとりうむ
sodium bichromate
重クロム酸のナトリウム塩。正式名称は二クロム酸ナトリウムsodium dichromateという。
クロム鉱から、炭酸カリウムのかわりに炭酸ナトリウムを用い、重クロム酸カリウムと同様な方法でつくられる。冷水溶液からは二水和物が結晶し、これを加熱すると84.6℃で無水和物(式量262.0)となる。皮なめし、媒染剤、さび止め、防腐剤、油脂の漂白剤など多くの用途がある。重クロム酸カリウムと化学的性質のよく似た赤色結晶であるが、工業的にはカリウム塩より安価であり、とくに高純度を要しない多量使用に適している。
[岩本振武]
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