重松清(読み)シゲマツキヨシ

デジタル大辞泉 「重松清」の意味・読み・例文・類語

しげまつ‐きよし【重松清】

[1963~ ]小説家岡山の生まれ。フリーライターを経て作家となる。現代社会における家族のあり方を新鮮な視点で描き、人気を集める。「ビタミンF」で直木賞受賞。他に「ナイフ」「エイジ」「定年ゴジラ」など。

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知恵蔵 「重松清」の解説

重松清

日本の作家。1963年3月6日生まれ、岡山県出身。83年、早稲田大学3年時に文芸誌「早稲田文学」編集部に入ったのが出版に関わる出発点。先輩には中上健次立松和平がおり、「かわいがられ、叱られた」という。同大学教育学部卒業後、出版社勤務を経て、フリーライターとして田村章など多数のペンネームで執筆活動を始めた。
91年、『ビフォア・ラン』(ベストセラーズ、現在は幻冬舎文庫)でデビュー。99年、『ナイフ』(新潮文庫)で坪田譲治文学賞を、『エイジ』(新潮文庫)で山本周五郎賞を受賞。2001年『ビタミンF』(新潮文庫)で直木賞、10年には『十字架』(講談社)で吉川英治文学賞を受賞した。現代の家族をえがくことを大きなテーマとし、話題作を次々に発表している。著書は他に、『定年ゴジラ』(講談社文庫)、『隣人』(講談社、講談社文庫で改題『世紀末の隣人』)、『きよしこ』(新潮文庫)、『トワイライト』(文春文庫)、『疾走』(角川文庫)、『その日のまえに』(文春文庫)、『カシオペアの丘で』(講談社文庫)、『とんび』(角川書店)、など多数。13年発表の『ゼツメツ少年』(新潮社)で、14年、第68回毎日出版文化賞(文学・芸術部門)を受賞。
ドラマ化、映画化された作品も多い。『ビタミンF』は、02年にNHKでドラマ化された。
02年に刊行された長編小説流星ワゴン』(講談社文庫)は、月刊誌「本の雑誌」により02年度年間ベスト10の第1位に選ばれ、累計発行部数は100万部を突破した人気作品で、人気ドラマ「半沢直樹」のスタッフによりテレビドラマ(TBS日曜劇場シリーズ)に映像化され、15年1月に放映が開始されている。
文字に対するこだわりが強く、単行本を出す際には、老舗印刷会社「精興社」のオリジナルフォント「精興社書体」を指名している。
野球ファン、広島カープファンで、『赤ヘル1975』(講談社)、『アゲイン』(集英社「小説すばる」連載)などの作品がある。『アゲイン』を原作とした映画『アゲイン 28年目の甲子園』は、中井貴一主演で15年1月公開。

(葛西奈津子 フリーランスライター/2015年)

出典 (株)朝日新聞出版発行「知恵蔵」知恵蔵について 情報

デジタル版 日本人名大辞典+Plus 「重松清」の解説

重松清 しげまつ-きよし

1963- 平成時代の小説家。
昭和38年3月6日生まれ。「早稲田文学」編集部勤務などをへてフリーライターとなり,おおくの雑誌記事,単行本をかく。一方,現代の家族をテーマにした小説を発表し,平成11年「ナイフ」で坪田譲治文学賞,「エイジ」で山本周五郎賞,13年「ビタミンF」で直木賞。22年「十字架」で吉川英治文学賞。26年「ゼツメツ少年」で毎日出版文化賞。岡山県出身。早大卒。作品はほかに「定年ゴジラ」「日曜日の夕刊」「ブランケット・キャッツ」など。

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