重粒子線治療(読み)ジュウリュウシセンチリョウ(その他表記)heavy particles cancer treatment

共同通信ニュース用語解説 「重粒子線治療」の解説

重粒子線治療

放射線を使ったがん治療一種。炭素イオンを加速した重粒子線をがん細胞に照射する。従来のエックス線治療と比べて効率的にがん細胞を攻撃することができ、正常な組織への損傷最小限にとどめることができるとされる。一方で、大規模な施設が必要で、医療保険の適用対象となるがんの種類も限られている。治療費は自費だけで300万円前後かかる。

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「重粒子線治療」の意味・わかりやすい解説

重粒子線治療
じゅうりゅうしせんちりょう
heavy particles cancer treatment

組織にネオンアルゴンなど重い粒子をぶつけて破壊する新療法。世界初の装置を科学技術庁の付属機関だった放射線医学総合研究所 (千葉市稲毛区穴川) が完成させ,1994年6月より臨床試行を実施している。重粒子線は放射線の一種だが,従来の放射線治療に比べ,癌を破壊する効果が大きいのに周辺の正常組織に与える障害が少ないのが特徴である。体外から照射すると,体内のある深さで放射線量が急に強くなる性質があり,癌病巣だけを集中的に破壊できる。皮膚癌,骨・軟部肉腫,脳腫瘍,眼球腫瘍,肺癌肝臓癌などに効果を発揮する。

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