重縁(読み)ジュウエン

デジタル大辞泉 「重縁」の意味・読み・例文・類語

じゅう‐えん〔ヂユウ‐〕【重縁】

親戚しんせきまたは婚姻関係にある家と重ねて婚姻・縁組を行うこと。また、その相手の家。
深い因縁のあること。前世現世の縁がかさなったもの。
「他人同士親子となるは、よくよく他生の―と」〈浄・油地獄

しげ‐ぶち【重縁】

四五しご」に同じ。
縁飾りなどをたくさんつけた容器

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「重縁」の意味・読み・例文・類語

じゅう‐えん ヂュウ‥【重縁】

〘名〙
① 親戚または姻戚関係にある家と、重ねて婚姻や縁組を結ぶこと。縁故関係の深いこと。また、その相手の家。
※青方文書‐嘉慶二年(1388)六月一日・下松浦住人等一揆契状案「縦雖為重縁、先閣一揆外之人、而馳寄於一揆中方
※歌舞伎・綴合於伝仮名書(高橋お伝)(1879)四幕「たった一人の甥だから、おれをこっちの娘と女合(めあは)せ婿にすれば重縁(ヂウエン)だに」
② 深い縁があることを、前世と現世の縁が重なったものとしていう語。前世の因縁(いんねん)。宿縁。
浄瑠璃・女殺油地獄(1721)中「たにんどし親子と成るはよくよくたしゃうのぢゅうゑんと」
血縁と仏縁との二重の縁。
※浮世草子・万の文反古(1696)三「むかしの女房に筋目ある御方、今又重縁(ヂウエン)とぞんじ後世の事ども導かれ」
④ 縁が重なり合うこと。
滑稽本浮世風呂(1809‐13)三「それはホンニ御重縁(ごジウエン)で別(べっし)ておめでたうございます」

しげ‐ぶち【重縁】

〘名〙
和船垣立(かきたつ)の腰に五本前後ならべて通す細い角材。立(柱)に対する横の構成材。筋。玉縁。〔和漢船用集(1766)〕
沢山の縁かざりなどをつけた容器。〔日葡辞書(1603‐04)〕

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

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