金光教本部(読み)こんこうきようほんぶ

日本歴史地名大系 「金光教本部」の解説

金光教本部
こんこうきようほんぶ

[現在地名]金光町大谷

JR山陽本線金光駅南を東流する里見さとみ川を南に渡り、大谷おおたにに入ると門前町がひらけ、木綿崎ゆうざき山を背にして金光教本部広前会堂・修徳殿・金光教学院・金光教学研究所・金光図書館などが立並ぶ。金光教は安政六年(一八五九)金光大神(前名、赤沢文治・川手文治郎)立教神伝を受けて創唱した教派神道の一派で、近代の代表的民衆宗教。金光大神が説く天地金乃神は、祟神としての金神ではなく、愛の神、天地の祖神として救済神的な性格をもつ。開教期の金光教は俗信や禁忌を否定し、人間本位で現世中心の信仰を説いた。本部は教主が生神金光大神取次の業を行うところである。

「金光大神覚」は、神の教示を得た教祖金光大神が自伝・事跡を書留めたもので、金光教の基本的教典とされる。同書によると、教祖は占見うらみ香取かんどりに文化一一年(一八一四)八月六日香取十平の次男として生れ、幼名を源七といった。文政八年(一八二五)一二歳のとき大谷村の川手粂治郎の養子になって文治郎と称する。同家は三畝余の土地と六畳の間に納戸という状況にある没落自作農であった。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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