金沢竜玉(読み)かなざわりゅうぎょく

改訂新版 世界大百科事典 「金沢竜玉」の意味・わかりやすい解説

金沢竜玉 (かなざわりゅうぎょく)

歌舞伎狂言作者。名優3世中村歌右衛門は,自分が上演する作品脚本をしばしば作ったが,そのときの筆名金沢芝助,一洗,戯作者浜松歌国らを集め,みずから筆をとって古狂言の焼直しをしたりした。今日伝存する演目に残った《花雪恋手鑑(はなとゆきこいのてかがみ)》(乳貰い)は,西沢一鳳と彼との合作だという。いかにも俳優の芸の生理を心得た作品である。後に奈河本助にこの名を譲った。
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日本大百科全書(ニッポニカ) 「金沢竜玉」の意味・わかりやすい解説

金沢竜玉
かなざわりゅうぎょく

江戸後期の歌舞伎(かぶき)俳優3世中村歌右衛門(うたえもん)の筆名。自分が上演する作品の脚本をしばしばつくり、今日まで伝存するものに、西沢一鳳(いっぽう)との合作という『乳貰(ちもら)い』がある。

[編集部]

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デジタル版 日本人名大辞典+Plus 「金沢竜玉」の解説

金沢竜玉(2代) かなざわ-りゅうぎょく

?-1842 江戸時代後期の歌舞伎作者。
初代奈河篤助に入門。師にしたがい江戸中村座へはいり,3代坂東三津五郎の庇護をうけた。文政11年(1828)市村座で二枚目作者にすすみ,のち同座で立作者となった。天保(てんぽう)6年大坂にもどり,3代中村歌右衛門(初代金沢竜玉)より竜玉の名をゆずられた。天保13年死去。前名は奈河元助,本助。俳名は蓬たく。

金沢竜玉(初代) かなざわ-りゅうぎょく

中村歌右衛門(なかむら-うたえもん)(3代)

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世界大百科事典(旧版)内の金沢竜玉の言及

【雁のたより】より

…上演外題《渡雁恋玉章(わたるかりこいのたまずさ)》ほか。《東都名物錦絵始(おえどのめいぶつにしきえのはじまり)》などの中にあった趣向を,金沢竜玉(3世中村歌右衛門)が石川五右衛門を扱った自作の狂言《けいせい雪月花(せつげつか)》の1幕に採り入れ,その脚本が後世に伝わった。1830年(天保1)正月大坂角の芝居初演。…

【中村歌右衛門】より

…その後世への影響は大きい。1820年(文政3)から狂言作者を兼ね,金沢竜玉の名で台帳も書いた。(4)4世(1798‐1852∥寛政10‐嘉永5) 幕末の江戸の名優。…

※「金沢竜玉」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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