精選版 日本国語大辞典 「鉗」の意味・読み・例文・類語 かな‐ぎ【鉗・金木】 〘 名詞 〙 ( 「かなき」とも )① ( 鉗 ) 刑具。鉄、または金属のように堅い木で作った首かせ。[初出の実例]「舸娜紀(カナキ)着け 吾が飼ふ駒は 引出(ひきで)せず 我が飼ふ駒を 人見つらむか」(出典:日本書紀(720)白雉四年是歳・歌謡)② ( 金木 ) 木の小枝。細い堅い木の棒。祓いの儀式に使う。→天(あま)つ金木(かなき)。③ 石炭のこと。[初出の実例]「一郡の人今に堀て晨昏の薪に用う。是を名けて金木といふと見えたるは石炭を指ていへり」(出典:和訓栞(1777‐1862))④ ナラ、クリ、クヌギなどの堅木の総称。また、柴、たきぎをいう。〔和玉篇(15C後)〕 出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例
普及版 字通 「鉗」の読み・字形・画数・意味 鉗13画 [字音] カン・ケン・ガン[字訓] くびかせ・かなばさみ・とざす[説文解字] [字形] 形声声符は甘(かん)。〔説文〕十四上に「鐵を以て劫束するるなり」とあり、首枷(くびかせ)をいう。甘はその枷を施している形。甘・箝・嵌・鉗はみなその声義を承ける。[訓義]1. くびかせ、くびわ、あしかせ。2. かなばさみ、はさみ。3. とじる、つむぐ、とざす。4. はさみこむ。[古辞書の訓]〔新字鏡〕鉗 波志(はし)〔和名抄〕鉗 加奈岐(かなき)〔字鏡集〕鉗 ツクル・カナキ・ハサミ・ツクム・トシキ・クツハ・フサク・カ(ナ)ハシ・ツクテ・カリマタ[語系]甘kamに拑・鉗の系統と、甘蜜の系統とがあり、拑・鉗giamと柑kam、hamと音系が分化する。甘蜜の意は草(かんぞう)の甘の意を承ける。[熟語]鉗口▶・鉗蓋▶・鉗忌▶・鉗夾▶・鉗噤▶・鉗鉗▶・鉗梏▶・鉗▶・鉗子▶・鉗赭▶・鉗制▶・鉗塞▶・鉗▶・鉗鉄▶・鉗徒▶・鉗奴▶・鉗馬▶・鉗勒▶ 出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報