(読み)ショウ

デジタル大辞泉 「鍾」の意味・読み・例文・類語

しょう【鍾】[漢字項目]

[音]ショウ(漢) [訓]あつめる
あつまる。あつめる。「鍾愛
かね。つりがね。「鍾乳洞

しょう【×鍾】

中国、漢代に用いられた酒壺さかつぼ。青銅製で、横断面が丸いもの。

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精選版 日本国語大辞典 「鍾」の意味・読み・例文・類語

しょう【鍾】

  1. 〘 名詞 〙
  2. 中国、春秋戦国時代容量単位。一鍾は六斛(こく)四斗(約五一・二リットル)。
    1. [初出の実例]「一鍾は六斛四斗ぞ。釜十を為鍾ぞ」(出典:史記抄(1477)一九)
  3. 酒を貯える器。さかつぼ。〔孔叢子儒服
  4. しょう(鐘)
    1. [初出の実例]「合鍾弐口」(出典:法隆寺伽藍縁起并流記資財帳‐天平一九年(747))

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普及版 字通 「鍾」の読み・字形・画数・意味


17画

[字音] ショウ
[字訓] さかつぼ・あつめる・かね

[説文解字]
[金文]

[字形] 形声
声符は重(じゆう)。重に衝・踵(しよう)の声がある。重は(ふくろ)(初文は東)の底におもりをつけた形。もと重量・容量をはかる意。〔説文〕十四上に「酒なり」という。〔左伝、昭三年〕に、斉の器量に豆・區(区)(おう)・釜・鍾があるといい、その斉量の遺品に釜と称する青銅器があり、穀量をはかるのに用いた。〔列子、楊朱〕に「酒千鍾を聚む」、また〔孔叢子、中、儒服〕に「堯は千鍾、孔子は百」というのは、その酒量をいう。〔詩、小雅、鼓鍾〕は鼓鐘の意。列国期の楚・(ちゆ)の器にはを鍾に作り、漢碑にもなおその例がある。

[訓義]
1. ますめ、六斛四斗、十釜の量にあたる。
2. さかつぼ、酒巵。
3. あつめる、あつまる、かさねる、まし加える。
4. 鐘と通じ、かね。

[古辞書の訓]
名義抄〕鍾 アタル・アツマル・サカヅキ・ヒシ・ウヤマフ・カネ・アツ・ツキカネ 〔立〕鍾 ウゴク・ツキカネ・アツム・ツラナル・カネ・モタヒ・アク・アタル・オホカネ/鐘 ツク・サカヅキ・ウツ

[語系]
鍾・(鐘)tjiongは同声。重diongは(ふくろ)で重さをはかる意。(童)dongは目の上に入墨した奴隷をいう字であるから、は鍾に作るのが本字。ただ重・の形や声が近く、通用の字となった。

[熟語]
鍾愛鍾馗・鍾・鍾鍾鼓鍾聚鍾情・鍾鍾藤鍾乳鍾念鍾釜
[下接語]
挙鍾・瓊鍾・征鍾・千鍾・万鍾・釜鍾・竜鍾

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