開かる(読み)ハダカル

デジタル大辞泉 「開かる」の意味・読み・例文・類語

はだか・る【開かる】

[動ラ五(四)]
手や足を大きく広げて立つ。また、進路などをふさぐようにして立つ。立ちはだかる。「戸口に―・る」「困難な問題目前に―・る」
衣服の前などが乱れて開く。「裾が―・る」
目・口・指などが大きく開く。
「奇異に目、口―・りて」〈今昔・一九・一八〉
[類語]邪魔臭い邪魔立て邪魔っ気妨げ妨げる

あか・る【開かる】

[動ラ五]閉まっていたものがひらく。また、隔てるものなどが除かれる。あく。
「まだ―・らなくって」〈漱石三四郎

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精選版 日本国語大辞典 「開かる」の意味・読み・例文・類語

はだか・る【開】

  1. 〘 自動詞 ラ行五(四) 〙 ( 「はたかる」とも )
  2. 開き広がる。
    1. (イ) 目・口・指などが大きく開く。特に目・口の場合には、びっくりした様子、呆然とした様子にいう場合が多い。
      1. [初出の実例]「むげに落窪の君の手なれば、目も口もはだかりぬ」(出典:落窪物語(10C後)三)
    2. (ロ) 手や足を大きく広げて立つ。相手の前をふさぐようにして立つ。立ちはだかる。〔色葉字類抄(1177‐81)〕
    3. (ハ) 歩くときに、大きく足を開く。大股に歩く。
      1. [初出の実例]「七八文字にはだかりて、大臣らしく歩くもあり」(出典:仮名草子・元の木阿彌(1680)上)
    4. (ニ) 着物の胸もとや裾が広がって乱れる。
      1. [初出の実例]「裙を其釘へ引掛けただ。スルと和郎着物の前が裸(ハダ)かっちまっただヨ」(出典落語・素人茶番(1896)〈四代目橘家円喬〉)
    5. (ホ) 一般に、物が大きく広がる。
      1. [初出の実例]「永き日によこへはだかる霞哉〈親重〉」(出典:俳諧・誹諧発句帳(1633))
  3. 事が大きくなる。また、騒動が起きる。
    1. [初出の実例]「とんだ事がはだかったなう」(出典:歌舞伎・扇音々大岡政談(天一坊)(1875)六幕)
  4. ( (ハ)から転じて ) いばる。大きな態度をとる。のさばる。
    1. [初出の実例]「私イ国は芝居の大層(でっかい)流行(ハダカ)る処で私なんぞは御役者様と云はれて居ただ」(出典:落語・素人茶番(1896)〈四代目橘家円喬〉)

あか・る【開】

  1. 〘 自動詞 ラ行五(四) 〙 閉まっていたものが開く。また、へだて、おおいなどが除かれる。あく。
    1. [初出の実例]「葛籠(つづら)に這入って居るのだ…開かる開かる。開か無かった日には地獄へ落ちるのだからな」(出典:落語・臆病源兵衛(1897)〈三代目柳家小さん〉)

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