紙に人数分の放射状の線を書き,一端に対象となるものを書いてこれを隠す。そして各人が別の端を引いてこれを引き当てる。この放射状の図形が阿弥陀像の光背に似ているので〈あみだくじ〉と呼ばれるようになったという。最近では,縦の線を何本か書き,下端に対象物を書いて隠し,縦線の間に各人が好きなように横線を入れる。横線はどのように入れてもかまわない。これは,横線を1本入れることによって左右の線が入れかわるだけであるから,何本入れても必ず上端と下端は1対1の対応をする。上端から自分の定めた縦線をたどり,横線に出会うと必ずこれに沿って進み,縦線にぶつかれば下にいく。到達した下端が上端と対応するものである。
このあみだくじの考えは,数学の組糸braidという概念で扱うことができる。図2は,3本の組糸Z1とZ2の結合Z1+Z2を示したものである。組糸は,数学の群論と深く関連し,その結果は結び糸knotの研究に用いられるが,組ひもの織り方を示すのにも用いることができよう。
執筆者:野口 広
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
…あらかじめ限られた数の可能性もしくは選択肢の中から,偶然を利用して自動的に一つを選び出す方法で,世界中にきわめて広く分布している占いの一形態。占いの中で中心的な位置を占めるものに,人為的につくった現象を神の意向や,勝負,正邪,順位などの〈しるし〉として解釈するものがあるが,くじはその代表的なものである。あらかじめしるしをつけた紙片,木片,草などの一つを取り出す方法や,小石その他を投げる方法が最も一般的である。…
…孔子,阿弥陀ともに常人よりすぐれた存在であり,これをくじの名称としていたことは,当時の人々のくじに対する心意をうかがわせるものである。なお,阿弥陀光は今日でもあみだくじ,あみだとして,やはり飲食などの各人の分担を決めるときに用いられている。籤(くじ)【西垣 晴次】。…
※「阿弥陀籤」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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