阿弥陀籤(読み)アミダクジ

デジタル大辞泉 「阿弥陀籤」の意味・読み・例文・類語

あみだ‐くじ【×××籤】

出費する人数に合わせて引いた平行線一端に異なる金額を書いて隠しておき、各自が引き当てた金額を出し合う仕組みのくじ。今日では平行線の間に横線を入れることが多い。
[補説]阿弥陀仏功徳くどくが平等であるからとも、もと、くじの図形が放射線状で阿弥陀仏の後光に似ているからとも。
[類語]くじおみくじ宝くじ福引き空くじ貧乏くじ

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

改訂新版 世界大百科事典 「阿弥陀籤」の意味・わかりやすい解説

阿弥陀籤 (あみだくじ)

紙に人数分の放射状の線を書き,一端に対象となるものを書いてこれを隠す。そして各人が別の端を引いてこれを引き当てる。この放射状の図形が阿弥陀像の光背に似ているので〈あみだくじ〉と呼ばれるようになったという。最近では,縦の線を何本か書き,下端に対象物を書いて隠し,縦線の間に各人が好きなように横線を入れる。横線はどのように入れてもかまわない。これは,横線を1本入れることによって左右の線が入れかわるだけであるから,何本入れても必ず上端と下端は1対1の対応をする。上端から自分の定めた縦線をたどり,横線に出会うと必ずこれに沿って進み,縦線にぶつかれば下にいく。到達した下端が上端と対応するものである。

 このあみだくじの考えは,数学の組糸braidという概念で扱うことができる。図2は,3本の組糸Z1とZ2の結合Z1+Z2を示したものである。組糸は,数学の群論と深く関連し,その結果は結び糸knotの研究に用いられるが,組ひもの織り方を示すのにも用いることができよう。
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世界大百科事典(旧版)内の阿弥陀籤の言及

【くじ(籤∥鬮)】より

…あらかじめ限られた数の可能性もしくは選択肢の中から,偶然を利用して自動的に一つを選び出す方法で,世界中にきわめて広く分布している占いの一形態。占いの中で中心的な位置を占めるものに,人為的につくった現象を神の意向や,勝負,正邪,順位などの〈しるし〉として解釈するものがあるが,くじはその代表的なものである。あらかじめしるしをつけた紙片,木片,草などの一つを取り出す方法や,小石その他を投げる方法が最も一般的である。…

【神籤】より

…孔子,阿弥陀ともに常人よりすぐれた存在であり,これをくじの名称としていたことは,当時の人々のくじに対する心意をうかがわせるものである。なお,阿弥陀光は今日でもあみだくじ,あみだとして,やはり飲食などの各人の分担を決めるときに用いられている。籤(くじ)【西垣 晴次】。…

※「阿弥陀籤」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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